Photobooks of the Month

書店員がピックアップする8月のおすすめ写真集【Shelf編】

AREA

東京都

Wolfgang Tillmans

IMA ONLINEの新コンテンツとして、4店舗の写真集の目利きが毎月おすすめ写真集を紹介するコンテンツが先月からスタート。東京には、個性的なセレクトが光るブックショップが数多く点在する。その中で、アートに力を入れる大型書店や個性的なアートブックやZINEを扱うインディペンデントブックショップなど、写真集を扱う4店舗の書店員が、毎月おすすめの写真集を3冊ずつピックアップ。

セレクト・文=森屋恵美(Shelf オーナー)

積もったばかりの新雪を思わせる白い表紙に大判カメラで雪山を撮った作品を封じ込めた『white』の出版から5年。写真家鈴木理策とデザイナー/パブリッシャーの秋山伸が再びフォトブックを作ると聞いて、待ちわびていた新刊『Sakura』。その季節が近づくと皆が明らかにそわそわし始め、やがて電車から見る街の風景がにわかに変わることに凝りもせずに驚き、満開の下で幻惑的な時間を楽しみ、そしてあっという間に日常に戻りつかのまの体験を忘れてしまう……箱をあけて頁を開けばいつでもそんな感覚がよみがえる。ほんの数か月前の時間を懐かしみ、来年もきっと咲いてくれる(1年の大半はその存在を忘れているのに!)桜に感謝して頁を閉じる。

タイトル

鈴木理策『Sakura』

出版社

edition.nord

価格

5,500円+tax

発行年

2017年

仕様

265mm×387mm/56ページ/箱入り

URL

http://shelf.shop-pro.jp/?pid=120702826

ロンドンのテート・モダンで6月まで開催されていたヴォルフガング・ティルマンス展のカタログ。ティルマンス本人がデザインし、収録作品も自身でセレクトしている。写真作品はもちろん、ヴィデオ作品、スライド・プロジェクション作品、アーティストブック、雑誌ページ、インスタレーション風景などのイメージ、テートのキュレーター、マーク・ゴッドフリーと美術史家トム・ホラートのテキスト、さらにティルマンスの作家活動歴にまつわる細かいデータなどが、盛りだくさんに詰め込まれている。2002年に出版された『Concorde』に始まるアーティストブック・シリーズと同サイズ、似たような質感で、ファンはやっぱり欲しくなってしまうよね……と思う1冊。

タイトル

ヴォルフガング・ティルマンス『Wolfgang Tillmans』

出版社

Tate

価格

5,570円+tax(輸入書籍につき円価は変動)

発行年

2017年

仕様

ソフトカバー/240mm×170mm/320ページ

URL

http://shelf.shop-pro.jp/?pid=114402551

スイスの2人組フォトグラファー、ニコ・クレブスとタイヨ・オノラトのアーティストブック。2013年4月、2人は1987年製のランドクルーザーに乗ってスイスからモンゴルの首都ウランバートルへと向かう。中央アジア、ヒマラヤ山脈、シベリア、スタン共和国、その他旧ソ連領土だった国々……途中で通る広大な土地は、2人にとってよく言えば神秘的な、実際のところは今一つはっきりとしたイメージがわかない漠然とした場所だった。本書は、クレブス&オノラトが旧ソ連とその周辺という歴史的にも政治的にも微妙なものを含みつつもその実態がよくわからない広大な土地を探索し、自分たちなりのイメージを作り上げていく過程をドキュメンタリーとフィクションで表現した旅の記録である。発売以来、版を重ねロングセラーとなっている前作『The Great Unreal』で描いたアメリカ横断旅行とはまた趣の異なる魅力に溢れた本。

タイトル

ニコ・クレブス&タイヨ・オノラト『Continental Drift』

出版社

Edition Patrick Frey

価格

7,800円+tax(輸入書籍につき円価は変動)

発行年

2017年

仕様

ハードカバー/330mm×240mm/214ページ

URL

http://shelf.shop-pro.jp/?pid=115563755

Shelf
外苑前にあるブックショップ。写真集を中心とした洋書を専門に取り扱っており、 店内には希少な本から絶版書まで様々なジャンルの写真集が所狭しと並べられている。

〒150-0001
東京都渋谷区神宮前3-7-4
tel / fax: 03-3405-7889
http://www.shelf.ne.jp/