「見ること」と「見られること」を問う、
山谷佑介の「Into the Light」展

2017.7.24 Mon

AREA

東京都

山谷佑介

写真家、山谷佑介の新しい写真集『Into the Light』の刊行を記念して、原宿のBOOKMARCで写真展が開催された。「Into the Light」は赤外線カメラによって、深夜の住宅地の家々を収めた作品群。赤外線によって、緑の色は鮮やかなピンクへと変換される。赤外線カメラを用いても尚、他人の家の内部を覗き込むことはもちろん不可能だが、異様な色彩によって鑑賞者は見ることを強く意識することになる。それらはどこにでもありふれた、何気ない風景なのにもかかわらず。

展示では、大小のプリントのほか、黒い紙にプリントした作品や、監視カメラも置かれている。旧式の監視カメラには、大判プリントに焼かれた家の、ドアの部分をずっと監視していた。監視カメラだけを見ていると、どこか別の場所の家を監視しているかのようにも見える。カメラの前に立つ鑑賞者が写り込むことで、その仕掛けに気がつく構造となっている。「見ること」と「見られること」は表裏一体であり、現代においてその構造からは逃れられず、私たちが見ているものとは一体何なのか、そんな思いまでが巡る。

発売されたばかりの写真集は、黒い紙に、CMYと白インクで印刷したという特殊な印刷方法を用いている。山谷のダミーブックが元になっているという。細かなところまで仕掛けが施されている意欲作。展示を見逃した人は、写真集をチェックしてみては。