Whitney Biennial 2017

2017年のホイットニー・ビエンナーレが示した写真の意味とは?

オト・ギランの展示風景

オト・ギランの展示風景

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もうひとつのスライドショーは、ポートレイトや静物を撮るオト・ギランが2015年から同時多発テロのあった辺りで撮った高層ビルや付近の歩行者や勤労者のスナップ集だ。いまや観光地ともなっているこの地区はウォール街にも近く、貧富の差がすぐ見て取れる場所である。外見のさまざまな人々の日常を切り取って次々に見せることで、まさにいまのアメリカを表現している。

Dorian Ulises López Macasの展示風景

Dorian Ulises López Macasの展示風景

1階のロビー奥に展示されているのが、メキシコ系のアーティスト、ラファ・エスパーザが拠点とするロサンゼルスから持ってきた日干しレンガを使ったインスタレーション。その中にDorian Ulises López Macasによる5人の若いメキシコ系男性のポートレイトが展示されている。ポートレイトがあることによって作品意図が伝わりやすい。何かというと否定的に描かれがちな西海岸のメキシコ系からのメッセージだ。

現代アートの作家たちは写真を表現手段のひとつとして考えているため、このほかにもデジタルメディアを使用した彫刻や一部に写真を使用したインスタレーションもあるが、ここに挙げたのはいずれも写真(一部は映像も)に特化してきた作家たちだ。2017年という先行きの不明な年にホイットニー美術館が示したのは「いまを率直に記録できる写真で問題提起することの重要性」ということのようである。

文・写真=Yuriko Yamaki

タイトル

「Whitney Biennial 2017」

会期

2017年3月17日(金)~6月11日(日)

会場

Whitney Museum of American Art(アメリカ)

URL

http://whitney.org/

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