Festival Photo La Gacilly

パリ郊外の街でアート写真を体験する「Festival Photo La Gacilly」現地レポート
Vol.1 小さな町がアート写真一色に染まるフェスティバルの特徴とは

La Gacilly

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ラ・ガシィ(La Gacilly)は、パリから TGVで約2時間ちょっと、レンヌ駅から車で1時間ほどのフランス西部の小さな町。いや、村といってもいい牧歌的な雰囲気。クレープやガレットやシードルで知られるブルターニュ地方、レンヌを中心にすると、モンサンミッシェルの反対側に位置する。

今号の『IMA』の「世界の写真フェスティバル」でも紹介した「Festival Photo La Gacilly」は今年で14回目を数える。人口2,200人のこの小さな町に、なんと毎年40万人もの観光客が訪れるという。

写真フェスティバルといえば、アルルがもっとも有名だろう。世界中から、写真ファンはもちろんのこと、キュレーター、評論家、写真家、ギャラリストなど写真のプロたちが集う祭典だが、その展示の多くは屋内で行われる。

La Gacilly

一方、このラ・ガシィの写真フェスの大きな特徴は、展示のほとんどが屋外ということ。イヴ・ロシェというフランスの超大手コスメティック会社の本拠地ということもあって、化粧品に使用する植物や花畑が町の近郊に広がり、町も緑と花に溢れている。その町のあちこちでは、巨大な作品が建物の外壁を飾ったり、森の中や木陰に作品が潜んでいたりして、決して広くはないが、地図を片手に作品を探しながら散策するのが実に楽しく、気候のよい夏のヨーロッパの心地よさと古い町の美しさとを満喫できるフェスなのだ。

La Gacilly

町中には35種類の展示、写真総数は約1,000点というから、見応えは抜群。アルルに比べると、写真のプロが集う場というよりは、たとえ写真好きでなくとも、アートに詳しくなくとも、単純にそのスケール感や見たことのない面白いイメージに出会って、老若男女誰もが文句なしに楽しめる、デモクラティックな写真フェスといっていいかもしれない。土日ともなれば結構な人出で賑わい、家族連れやカップル、老夫婦なども多く、みんな思い思いにのんびりと鑑賞したり、カフェで語らったりしている。

La Gacilly

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