Interview
Juergen Teller

絶対的な被写体との出会いによって進化し続ける、ユルゲン・テラーの新境地を追う

Interview Juergen Teller

右に写るのが本展のキュレーター、フランチェスコ・ボナミ

―こうしてお皿を使いこなすうちに、あなたにとって何か特別な意味を持ち始めましたか?

テラー:お皿は彫刻であり、美しいオブジェクトなんです。同時に、誰もが1日3食使っているくらい、身近なものでもある。お皿=私なので、その展覧会を「Teller on Mapplethorpe」というタイトルにしました。また私の写真には動物がよく出てきます。変な動物によく出会うし、それらを撮るのも得意です。メイプルソープの展覧会をキュレーションしたとき、夢に出るぐらい彼の作品のことをずっと考えていましたが、彼の写真は病的なほどに完璧でした。私はもっと明るいイメージを撮りたかったのでカラー写真を使い、動物の要素も取り入れたんです。四方八方へ飛んで、常に動き回るカエルを撮影するはとても楽しかったですね。スタジオの中で追いかけていたので、膝と腰が痛かったけど(笑)。二人のトレーナーをつけてカエルをケアしてもらいましたが、危ない場面もありました。韓国やマダガスカルのカエルは有毒ですからね。

ユルゲン・テラー「Frogs and Plates No.21」

ユルゲン・テラー「Frogs and Plates No.21」2016年 Framed giclee print, 20.3 x 25.4cm
Courtesy of the artist and Blum & Poe, Los Angeles/New York/Tokyo

―あんなに動き回ったら、きっと撮影はカオスですよね。

テラー:そう、カオスが大好きなんです。予測がつかないハプニングを起こしたいといつも思っていますが、もちろんある程度は自分でコントロールしています。でも、写真には常にコントロールできないことや驚きを取り入れたいと思っています。

―この企画で、お皿は何枚割れましたか?

テラー:実は一枚も割れなかったんだよ。割れたお皿の写真は撮らないかもね。だってまだ、自分自身が割れていないから(笑)。

―展示空間では、ウィリアム・エグルストン、シャーロット・ランプリング、それに自分がロバに乗っている写真もありますね。これらの写真を、なぜカエルの写真に合わせたのでしょうか。

ユルゲン・テラー「Self-portrait, Plates/Teller No.36」

ユルゲン・テラー「Self-portrait, Plates/Teller No.36」2016年 Giclee print 40.6 x 50.8cm
Courtesy of the artist and Blum & Poe, Los Angeles/New York/Tokyo

テラー:グリム童話に、カエルにキスすると、カエルに化かせられた王様がもとに戻るという話があります。これらのカエルは一風変わったおとぎ話の登場人物ともいえます。シャーロットは狐のような表情しているから、大人しい狐を膝の上に抱いてもらいました。彼女はとても穏やかですが、眼光は鋭い。でも彼女に狐を抱かせるなんてあんまりでしょう(笑)。

ユルゲン・テラー「Charlotte Rampling, a Fox, and a Plate No.15, Latimer Road, London」

ユルゲン・テラー「Charlotte Rampling, a Fox, and a Plate No.15, Latimer Road, London」2016年
Giclee print 228.6 x 152.4cm
Courtesy of the artist and Blum & Poe, Los Angeles/New York/Tokyo