Photobooks: Evolving by Rebirth

復刻によって蘇る写真集 vol.2
信頼の構築が、写真集を現代に蘇らせる 中島佑介(POST)インタヴュー

『Les Copains』Johan Van Der Keuken(Foci Press、2015)

『Les Copains』Johan Van Der Keuken(Foci Press、2015)

どの写真集もレイアウトや写真のトーンが忠実に再現されているが、決して「複製」ではない。クーケンの場合はウィレムから造本を改良したいという申し出があったため紙や製本を一部変えたほか、トリミング前の写真や別カットをまとめた『Les Copains』も同時に出版している。マランガの場合は河添が同書の美術史的な意義について解説したテキストが付録として付け加えられている。

『Les Copains』Johan Van Der Keuken(Foci Press、2015)

『Les Copains』Johan Van Der Keuken(Foci Press、2015)

『Les Copains』Johan Van Der Keuken(Foci Press、2015)

『Les Copains』Johan Van Der Keuken(Foci Press、2015)

『Les Copains』Johan Van Der Keuken(Foci Press、2015)

「復刻では出せない時間の重みがあるのは事実ですが、それを追い求めて懐古的になるのは避けようと思っています。たとえばSteidlが復刊させているロバート・アダムスの写真集などはとても丁寧につくられていて、復刻版ならではの価値がある。現代になって技術的に進歩している部分もあるので、作り直すときは、きちんと現代の本として成立させることは意識しています」。では、写真集史においても重要な写真集の復刊をどうやって可能にしたのだろうか。「写真集の復刻においては、個人的な信頼がすごく重要なのだと感じました。クーケンのときは、ノシュカやウィレムを紹介してもらい、直接会って写真集を介しながら自分と価値観を共有できたことが重要だったんです。マランガは河添さんの存在が大きかったですね」。

『The New West』Robert Adams(Steidl、2016)

『The New West』Robert Adams(Steidl、2016)

単にオリジナルを複製するのではなく、現代に即した付加価値を与えるのが真の「復刻」なのだと主張するのはたやすいが、ときには死去していることさえある作家の意図をくみ取りながら「復刻」を行うのは、そう簡単なことではない。「復刻」とは強固な信頼関係があって初めて成り立つものであり、その信頼関係とは対象への深い愛なしには生まれ得ない、かけがえのない作業なのだ。