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François Halard × Taka Kawachi

対談 フランソワ・アラール×河内タカ
ソール・ライター、サイ・トゥオンブリー、ルイジ・ギッリ…
作家のバイオグラフィーを浮かび上がらせるアトリエの風景

AREA

東京

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Cy Twombly © François Halard

Cy Twombly © François Halard

河内:21歳のときにデヴィッド・ホックニーを撮ったのが一番最初の仕事だったそうですね。そのときのギャラでサイ・トゥオンブリーのリトグラフを買ったと聞いて感動しました。

フランソワ:そうですね。彼の作品はずっと追いかけています。

河内:トゥオンブリーはインタビュー嫌いで有名なので、まさか家を撮っている人がいると思わず驚きました。彼は絵描きであり、彫刻も作り、そして写真も撮っていましたね。

フランソワ:彼は「私は待ちます」といっていました。絵描きとして認知されるには50歳まで、彫刻家としては60歳まで、そして写真家としては70歳で認知されればいいと。それだけ忍耐強い人だったんですね。

2017年10月8日に「TOKYO ART BOOK FAIR 2017」で開催された「Saul Leiter」刊行記念トークイベントより

2017年10月8日に「TOKYO ART BOOK FAIR 2017」で開催された「Saul Leiter」刊行記念トークイベントより © Mari Kojima

河内:やはり噂どおりミステリアスな人でしたか?

フランソワ:とてもミステリアスな人でしたね。この写真はロンドンのテート・モダンで大きな展覧会があったとき、代表するポートレートとして選ばれました。数少ない、もしかしたら唯一のトゥオンブリーが笑っている写真です。

河内:自分の展覧会のチラシをスタジオに普通に置いているカットを見て、嬉しくなりました。これはいつ、どこで撮られたものですか?

フランソワ:NY MoMAで行われた一番大きな回顧展のためにイタリアのガエータという街にあったスタジオで撮った写真です。

Cy Twombly © François Halard

Cy Twombly © François Halard

河内:撮影のとき、トゥオンブリーは協力的でしたか?

フランソワ:まず最初に到着しておかしかったのは、彼から「写真を撮られたくない」といわれたのです。えっと思いましたが、私は本当に会いたかっただけだったので、撮られたくないならしょうがないと、「ランチにでも行きましょう、私はそれで構いません」といいました。その後、自分がどれだけ彼から影響を受けてきたかを話して、自分の家も、彼の作品の中の家に近いものを感じたから買ったのだと話しました。すると、「好きにやっていいよ」といってくれたので、ランチのあと撮影をしました。

Cy Twombly © François Halard

Cy Twombly © François Halard

河内:スタジオにはイスラム様式のタイルやアジア的なものなど、いろいろなものが混在しています。フランソワの写真からは、それらのパターンや質感がトゥオンブリーの絵に影響していることが伝わってきました。

フランソワ:アーティストの家は、その人のバイオグラフィーとして一番適していると思います。周りに好んで置いているものが、彼自身を表しているのでしょうね。