Interview
Kishin Shinoyama

篠山紀信展「快楽の館」インタヴュー

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―これまで膨大な数のヌードを撮られてきていますが、篠山さんにとってヌード写真とはどんな存在でしょうか?

篠山:目の前の被写体に感じた印象や思いや、イメージを写真にするときにヌードってとても使い勝手が良いんですよ。エロさだけじゃありません。例えば、都市に裸を置く行為は、そこに有るべからずものが風景の中にあるという、日常の非日常だったり、既視感のあるものの別の側面を見せられることでもあります。いわば、自分自身の眼を覚醒させるための装置なんです。現代は、ヌードというと排除すべき対象ですが、やはり欲望を喚起するものなんです。

Kishin Shinoyama

篠山紀信「快楽の館」2016年 © Kishin Shinoyama 2016

―長い間第一線でこれだけ色々なことをやられて、篠山さん自体が「時代の鏡」とも呼ばれていますね。

 篠山:僕は何もない所からモノを創るアーティストではないですからね。写真家というのはカメラがあってレンズを向けた先に現実があるわけです。人物や風景やモノとの関係性ですね。その時代時代の面白い人や突出したヒト、モノ、コトといった現実に果敢に寄っていって、良い角度から良いタイミングで撮るってことを50年間ずっとやってきたと思うんです。結果、時代を撮ってきたっていう。

 ―時代とズレることなく足並みを揃えて、ハイファッション誌から週刊誌まで、幅広いメディアや被写体を撮られています。大衆にアピールする秘訣はあるのでしょうか?

 篠山:秘訣をいいたくないとかではなく、それは言葉じゃいい表せない。ずっとやってきていることだから「才能」じゃないんですか?なんていうしかない(笑)。ただし、モノを見ることに対する欲望は強いと思います。それから、仕事の注文主が僕に被写体の持つ魅力を増幅したり、新しい面を引き出したりする役目を期待して依頼してくるわけですから、彼らの要望に応えるように考えて撮りますね。それはアートとは違うでしょう。だけど最終的に昔撮った写真がアートとして美術館に飾られたりするわけだから、やっぱり時代に聞いてくれっていうしかないね(笑)。

 結局、経験で培った瞬時の判断力でしょうね。アスリートのように毎日の鍛錬がモノをいう。写真ってそういうところがありますね。なかなか写ってくれませんから。今回の企画も初めてのことでしたが、これを経ることで、初めての風景や違った景色が見えてくるかもしれません。そうやって成長していくものだと思います。

 −いま一番何に興味がありますか?

篠山:うーんっと….時代に聞いて下さい(笑)。

タイトル

篠山紀信展 「快楽の館」

会期

2016年9月3日(土)〜2017年1月9日(月・祝)

会場

原美術館

時間

11:00~17:00(11月23日を除く水曜は20:00まで/入館は閉館30分前まで)

休館日

月曜(9月19日、10月10日、1月9日は開館)、9月20日、10月11日、年末年始(12月26日~1月4日)

入館料

【一般】1,100円【大高生】700円*原美術館メンバーは無料/20名以上の団体は100円引き

URL

http://www.haramuseum.or.jp

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