PHOTOBOOK

Circular Cosmos ーまあるい宇宙

上原ゼンジ

ミクロの奥へ奥へと突き進んでいくと、その向こう側は宇宙の果てにつながってるんじゃないか、というようなイメージを小さな頃から持っていた。どうやってこのような感覚が芽生えたのかは分からないが、「世界は芥子粒のような小さなものの中にある」といった考え方は仏教にもある。長じて被写体に寄った写真を撮るようになったのは、どこかでその向こう側の宇宙と出会いたいというような意識が働いているのかとも思う。
本書の中には「宙玉(そらたま)」、「万華鏡写真」、「うずらの惑星」という3つのシリーズが含まれている。「宙玉」はさまざまな自作レンズの中から生まれた。最初は透明球をレンズ代わりにして撮影していたのだが、透明球が宙に浮かんでいるようなイメージの写真が撮りたいと思い、ドーナッツ型の透明板に透明球を接着して撮影する方法を思いついた。結果、宙に浮かぶ透明球の中に世界を閉じ込めたような写真を撮ることができるようになった。
万華鏡というのは通常、万華鏡を回転することにより次々とイメージが変わる一過性のものだ。それを写真として記録したいと思い、撮影に適した万華鏡を自作して撮影を行なっている。万華鏡はよく曼荼羅に喩えられることがあるが、この曼荼羅というのも宇宙観を示すものだ。さまざまなパターンの中から宇宙を垣間見たいと思っている。
「うずらの惑星」は鶉卵を接写し、ネガ反転させたものだ。反転させると明るい所は暗く、暗いところは明るくなり、色も補色になる。茶系の色が反転してブルーになり、ブルーと白で構成された球体はもう1つの地球のようなイメージになる。鶉卵を惑星に見立てれば、1つとして同じ模様の鶉卵は存在せず、スーパーで買ってきた鶉卵のパックの中には別々の惑星が並んでいるということになる。
さまざまなアプローチの仕方でこれからも、身近なところに存在する宇宙を発見したいと思っている。
MORE Circular Cosmos ーまあるい宇宙
フォトグラファー
上原ゼンジ 
出版社
桜花出版 
価格
3,000円+tax  
ISBN
9784434189173 
発行年
2014年 
仕様
250 x 250 mm、48ページ、ハードカバー 
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