京都の街に写真が息づく
今年のKYOTOGRAPHIEの見所をレポート

Vol.2 現代写真のいまを写す、規格外のインスタレーション

REPORT

01 May 2017

Share

ラファエル・ダラポルタ「ショーヴェ洞窟」京都文化博物館 別館 1階

ラファエル・ダラポルタ「ショーヴェ洞窟」京都文化博物館 別館 1階

ドキュメンタリーとコンセプトを両立させ、常に完成度の高い作品を発表してきた、フランス人写真家ラファエル・ダラポルタ。「ショーヴェ洞窟」は、約36,000年前の世界最古の洞窟壁画を360度撮影し、巨大な4Kモニターを用いた音と映像のインスタレーションだ。その映像の解像度にまず驚くが、「イメージを想像して絵画を描くという原始的なアートを被写体にすることで、イメージを体験する可能性を追求したインスタレーション。洞窟の映像でありながら、そこから広がるイマジネーションに出会ってほしい」とダラポルタが語るように、人類の根源的な想像に向き合うと、洞窟の壁画でありながらも、宇宙を見ているかのような体験を得ることができる。NASAの宇宙の音、心音などから緻密に作られた音も重要な要素だ。「洞窟は身体のメタファーでもある」と語るように、まさに中と外が入れ子になる大規模なインスタレーションは必見。

TOILETPAPER Maurizio Cattelan & Pierpaolo Ferrari「Love is More presented by FUJIFILM」ASPHODEL

TOILETPAPER Maurizio Cattelan & Pierpaolo Ferrari「Love is More presented by FUJIFILM」ASPHODEL
Photo by Takuya Oshima

『IMA』でも何度か紹介しているTOILETPAPARは雑誌から派生した、現代美術家マウリツィオ・カテランとファッション写真家ピエールパオロ・フェラーリによるユニット。額に入れて壁に写真をかけるというような、いわゆる写真展のメソッドを、TOILETPAPERは軽々と飛び越える。「雑誌だけではなく、モノと空間を使ってライフスタイルを表現している。この空間で何かを感じてくれたら、あなたもTOIRETPAPERの一員です」とフェラーリは語る。

今回は3フロアで空間を演出しているが、水の中や食べ物など、それぞれのフロアごとにテーマがあるという。「広告のテクニックを使って、強く鮮やかな色、アイディア、コンセプトを表現しています」と語るように、強烈なヴィジュアルは、言葉よりも何よりもメッセージを放つことを体現しているが、どのイメージも周到に練られて作られているからこそできる技だ。「写真というアートを使って、ブランドを創出することで、誰もがアートにアクセスすることを可能にしています。また、さまざまなブランドやメディアとコラボレーションすることで、ブランドを創出することは、これまでに誰もやっていないことなのです」とは、プロダクトマネージャーのチャーリーの言葉。アート写真、ファッション、ライフスタイル、そのどれでもないが、どの要素も含む規格外のジャンルレスなユニットの空間を体験しよう。

KYOTOGRAPHIE

  • Vol.1

    Vol.1

    京都だからこそ出会える、歴史的建造物と写真のコラボレーション

  • Vol.3

    Vol.3

    気鋭の日本人作家たちの躍動

Share

Recommend Posts