写真家にして映像作家でもある髙木康行が、今知るべき世界の写真家たちの活動に焦点を当てるシリーズ「Video Editorials」が、IMA VISIONでスタート。第一回目は、韓国を代表するアーティスト、ジョンジン・リーを追う。ロバート・フランクのアシスタントも務めていた彼女は、現在、ニューヨークを拠点として活動。アリゾナやフロリダなどの自然を瞑想的ともいえるアプローチで絵画的表現に落とし込み、世界的な評価を受けている。周囲のキュレータなどの肉声を通して、日本人にはまだあまり知られていない、その作品の魅力と制作現場に迫った。
photographer / director
東京都生まれ。ニューヨークの Pratt Instituteでメディアアートを学ぶ。著名なフォトグラファーのアシスタントに同行し、約10年後に独立。アート、エディトリアル、コマーシャル写真のフィールドでキャリアを重ね、2012年、南フランスで行われた国際写真コンテスト「27th International Hyeres Festival of Photography」でファイナリストに選ばれる。以降、パリやニューヨークのギャラリーで作品を発表。2013年には初写真集『小さな深い森』をパリの出版社Funny Bones Editionsから刊行。2014年、ニューヨークのCCNY(Camera Club of New York)の国際写真コンテストでファイナリストとして、受賞作品となった“東京の植木”シリーズは、同年、京都で行われた「第2回KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭」でも発表。現在は、東京を拠点に『New York Times T style magazine』『Le Monde M magazine』『The Sunday Telegraph Magazine』『WALLPAPER*』など国内外のさまざまな雑誌で活躍。また、ビデオディレクターとして映像作品を手がける。2015年秋に2冊目の写真集『植木』がフランスの出版社IKI Editionsから刊行。現在、3冊目を準備中。www.yasuyukitakagi.com
1961年韓国生まれ。幼年時代に書道を学び、弘益大学では陶芸を専攻。1984年に美術専攻を修了した後、フォトジャーナリストとして、その後はフリーランスのフォトグラファーとなる。 1987年、彼女は野生の人参を採取する老人の生活のドキュメンタリーに焦点を当てたプロジェクトに1年間没頭。その後、ニューヨーク大学に入学し、写真家となる。巨匠ロバート・フランクのアシスタントを務め、やがて「Desert」(1990-94)、「American Desert I-IV」(1990-1996)、「On Road」(2000-01)、「Wind」(2004-07)および「 Remains」(2012 - )といった、荒涼とした風景などの自然をモチーフに作品作品制作を続けている。スイスのヴィンタートゥーア美術館などでの個展の他、韓国・アメリカを中心とした美術館、ギャラリーで多数グループ展を開催。その作品は、ホイットニー美術館、メトロポリタン美術館などに収蔵され、高い評価を得ている。