Interview
Sohei Nishino

西野壮平写真集『TOKYO』とSFMoMA個展記念インタヴュー「創作の裏側」

Sohei Nishino

Sohei Nishino © Satoko Imazu

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都市を歩いて撮影した膨大な数のスナップ写真のフィルムを現像し、コンタクトシートに焼き出したものを35mmフィルムのコマのまま1枚1枚切り出し、コラージュしながら一枚の大きな街を作り上げる「Diorama Map」で知られる西野壮平。街を歩くこと約2カ月。制作に要する日数も約2カ月。人間の営みが歴史ごと凝縮された街という存在が、作家の足と目を通して再構築されるこの作品は、まずそのスケールで見る人を圧倒し、同時に、ディテールを見る楽しさに引き込む。

この9月、IMA Photobooks刊行の写真集『TOKYO』が、世界の注目を集める写真賞、The Paris Photo-Aperture Photo Book Award 2016のFirst Book of the yearのショートリストにノミネートされたニュースが飛び込んできた。今年は「2016フォトシティさがみはら」も受賞し、さらに、11月からサンフランシスコMoMAで個展「New Work: Sohei Nishino」が開催予定と快進撃が止まらない西野壮平に、あらためて作品の生まれた背景と創作の裏側を聞いた。

IMA編集部=インタビュー・文
今津聡子=写真(ポートレイト)

写真集『TOKYO』

写真集『TOKYO』 © Satoko Imazu

―写真集『TOKYO』がアパチャー財団の写真集賞のショートリストにノミネートされましたね。11月のパリフォトでグランプリが発表されます。

初めての写真集ですし、嬉しいですね。『TOKYO』というタイトルをつけたように、作品集というよりはコンセプトブックというつもりで作りました。

―Diorama Mapは、スケールとディテールが重要だと思うので、作品サイズの大きさは重要なポイント。つまり写真集として本のサイズに表現するのが、極めて難しいタイプの作品かと思うのですが。

作品を146分割して見開きごとに見せていくというアイデアが、この写真集の大きなポイントでした。全体像は挟み込みのペラ一枚で見せておいて、あとはすべてディテールをひたすら積み重ねて、厚いブロックの塊のような本に仕上げたわけです。拡大された画面からは、35mmフィルムのベタ焼きを切り出して貼り合わせている様子などディテールがよく見えて、作品とはまた別の面白いものが出来上がりました。

―いよいよ、サンフランシスコMoMAでの個展も2週間後に迫りましたね。

今回は新作として、サンフランシスコの街を撮影したDiorama Mapも見せます。

―大学時代に最初の作品を制作してから約15年。振り返っていかがですか?

サンフランシスコがちょうど20都市目の作品でしたが、ずいぶんたくさんの街をコンスタントに歩いたなという思いですね。疾走し続けたという印象です。

Sohei Nishino

Amsterdam © Sohei Nishino

―そもそもDiorama Mapはどうやって生まれたんですか?

高校生の時に知り合いから話を聞いて、お遍路さんというものを知って、その10日くらい後に突発的にテントと寝袋を持って出かけたんです。お遍路の最中、スナップしながら歩いたんですが、その時に写真って面白いなと思って。

その後、大阪芸大の写真学科に入学したんですが、学校に行く気になれなくて。よくサボっては最寄りの駅で降りてふらふら街をさまよっていました。人を避けるようにビルの上から街をぼんやり見ていたんです。現実逃避ですね。

お遍路で歩いた経験、ビルの上から街を俯瞰していた経験、歩いた痕跡を残したいという気持ちがDiorama Mapの原型をつくっていった感じですかね。

―第一作の大阪をモチーフにした作品とは、作品のスケールもどんどん大きくなってきてますね。

処女作の「Osaka」は約1,000枚ですが、近年の作品には、約13,000枚のカットを使ってますから、ずいぶん大きくなりましたね。

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