New Art Bookstores in Paris

パリの最新アートブックストアシーン

パレ・ド・トーキョーにオープンしたアートブックストア

パレ・ド・トーキョーにオープンしたアートブックストア

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世界有数のアートブック都市・パリ。昨年から今年にかけてさらに多くのアートブックストアがオープンし、その盛り上がりは増す一方だ。最新のアートブックの動向を知る上で見逃せない、いま最も注目のブックストアを紹介。

文=マーク・フューステル

Shakespeare and Companyなどの伝説的な独立系書店が生まれ、Offprint やPolycopiesといったアートブックフェアが次々と開催される、世界でも指折りの愛書家の聖地、パリ。アート写真集の人気が世界的に高まる中、フランスの首都であるこの街がシーンの重要なハブのひとつとして機能してきたのも当然である。

古典美術から最先端の現代美術まで、幅広いジャンルでそれぞれに特化したキュレーション型のアートブックストアが軒を並べるパリだが、それでも新しい書店は続々と誕生している。昨年だけでもアートに特化した書店が幾つもオープンし、それぞれがパリのシーンに新しい風を吹き込んだ。

直近では今年4月、コンテンポラリーアートの美術館としてはヨーロッパ最大のパレ・ド・トーキョーに新たな書店がオープンしている。パレ・ド・トーキョー1階に450m2の売り場面積を誇るこの書店は、ドイツを拠点とする老舗アート系出版社ウォルター・ケーニッヒとフランスの美術雑誌『カイエ・ダール』のコラボにより生まれ、ベルギーの建築事務所、オフィス・ケルステン・ゲールス&ダヴィッド・ファン・セーヴェレンが空間デザインを手がけている。

New Art Bookstores in Paris

ヨーロッパのアートブックシーンの中心を担ってきたドイツの出版社、ウォルター・ケーニッヒは、ドイツ、イギリス、オーストリア、オランダ、ベルギーに40店舗の書店を展開している。パレ・ド・トーキョー店は、同社初のフランスマーケット参入の試みである。建築、デザイン、ファッション、映画、そして何よりヴィジュアルアートといったウォルター・ケーニッヒらしい本の品揃えに加え、ステーショナリーやギフトなどの雑貨、パレ・ド・トーキョーで開催中の展覧会関連のグッズも取り揃えている。大きな書店であるにもかかわらず、写真集に関しては有名どころから独立系出版社まで網羅しつつも、きちんと的を絞ったセレクションになっている。この店舗では、ケルンにあるウォルター・ケーニッヒの膨大な在庫からの取り寄せが可能であり、ほかの書店では見つからないようなレアブックや自費出版の本など、希少本を注文するには格好の場所になっている。

New Art Bookstores in Paris

この書店のもうひとつの顔が、1926年に創刊し2012年に復刊を遂げた伝説的なフランスの美術雑誌『カイエ・ダール』が手掛けるスペース。『カイエ・ダール』のバックナンバーに加え、同社が出版した美術書、カタログ・レゾネ、限定本やオリジナル・リトグラフなども見ることができる。

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