民族芸能は生活の中から生み出された踊や歌であり、生活からの切実な願いが形になり、先人の教訓として今に伝えられているといえます。それら多くは自然に根付いたものであり、それぞれの風土から生まれた独自性が美意識につながっています。
舘鼻は遊女の履く下駄から着想を得た現代のファッション「ヒールレスシューズ」の作り手として、世界のファッション界でもその名を知られています。また今年3月にパリのカルティエ現代美術財団で日本の民族芸能の一つである人形浄瑠璃文楽の舞台「TATEHANA BUNRAKU : The Love Suicides on the Bridge / Nomadic Nights」の監督を手がけ、注目を集めています。舘鼻とこの日本文化を世界に伝える意味についてお話しいたします。
会期 | 2016年4月2日(土) |
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会場 | |
時間 | 17:00~18:00 |
料金 | 無料 |
定員 | 80名 |
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西村裕介|Yusuke Nishimura
東京都出身。2002年、カルフォルニア州立大学ロングビーチ校にて映画学科を専攻。3年にわたり撮影現場で映画作りに携わる。2004年、同州アートセンターカレッジ・オブ・デザインに編入し写真学科を専攻。入学を同じくして広告カメラマンのアシスタントを経験。同校で学士号を取得後、ニューヨークに拠点を移し、カメラマンとして雑誌や広告で活躍。2015年、写真集『The Folk』をリトルモアより刊行。
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舘鼻則孝|Noritaka Tatehana
1985年、東京都生まれ。歌舞伎町で銭湯「歌舞伎湯」を営む家系に生まれ鎌倉で育つ。シュタイナー教育に基づく人形作家である母の影響で幼少期から手でものをつくることを覚える。東京藝術大学では絵画や彫刻を学び、後年は染織を専攻する。遊女に関する文化研究とともに日本の古典的な染色技法である友禅染を用いた着物や下駄の制作をする。現在はアーティストとして、国内外の展覧会へ参加するほか、伝統工芸士との創作活動にも精力的に取り組んでいる。作品は、ニューヨークのメトロポリタン美術館やロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館など、世界の著名な美術館に永久収蔵されている。