Interview
Gerhard Steidl

アートブック出版の鬼才が、日本でダミーブック賞を創設!ゲルハルト・シュタイデルが伝道する「写真集の可能性」。

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Interview Gerhard Steidl

今回ショートリストに選出されたアーティストたちは、バックグラウンドもさまざまだ。シュタイデルは、ドイツでの本づくりを通じて、彼ら受賞者(一人に絞りきれない可能性も高い、と明かす)の文化的、社会的、政治的なパーソナルストーリーを紐解けることが、いまから待ち遠しいと語る。

「アーティストとの対話は、卓球みたいなものです。私はアーティストではありませんから、技術者として培ってきた知見をシェアすることでアーティストを導くことが私の使命です。だからこそ経験が重要なのであり、私もそこから新しいことを学びます。過去の成功体験や経験を繰り返すのは好きではありません。常に実験的でありたい。うまくいくこともあるし、そうでないこともあります。妥協も必要です。しかし、有能な政治家であればあるほど“よい妥協”をするものです」

Interview Gerhard Steidl

彼はまた、本づくりを子育てになぞらえる。だからこそ、そのプロセスには「両親」としての責任が伴うが、一冊の本に「成長」した暁には、独り立ちして世界に飛び立っていく。そしてその後、世界にいる誰かの知的好奇心を触発し、その人の本棚に並び、持ち主の人生の一部へとなっていくのだ。「アプリではそうはいきませんね。消去してしまえばそれまでですから」とシュタイデルは笑う。

Interview Gerhard Steidl

シュタイデル社はいまや、ファッション界のシャネルのようにアートブック界の権威だ。そう伝えると、シュタイデルはそれを誇りに思うといって、こう続けた。

「確かにこの45年の活動を通して、シュタイデル社はある種、人間のクリエイティヴィティの“今日的な威信”と位置付けられるまでになったと自負しています。そして、これから先もそうであるために、私たちのクオリティスタンダードは常に進化し続けます。10年前といま、そして未来の本は違っているべきだと思うからです。本づくりのスタンダードを更新し続けることは、シュタイデル社と私にとって絶えることないプロセスであり、人生のようにエキサイティングなものなのです!」

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