Art Photography for Interior Design

アートフォトと空間デザインの“いい関係”【前編】

Art Photography for Interior Design

LOUNGE SIXの上質な空間デザインを手がけたのは、現代美術家、杉本博司と建築家、榊田倫之が立ち上げた新素材研究所だ。杉本と榊田のコンセプトは「古様(いにしえざま)な素材を提案することが、いま一番新しい」というもの。これは素材や工法は古来でありながら、現代的な発想を用いて空間を構成するという意味合いだ。言い換えれば、日本的なものと現代的なものの融合と再編集。伝統と革新を調和させることで、新しい日本の美意識を感じる空間演出を目指し、それはLOUNGE SIXにもしっかりと反映されている。

新素材研究所は静謐な空間に品格を漂わせるため、大型カメラを用いた精緻な写真表現で国際的に高い評価を得ている杉本の作品群を展示。空間の構成要素のひとつにアートフォトを取り入れている。

Art Photography for Interior Design

LOUNGE SIXに納められた杉本の写真作品は7点。ラウンジのメインルームだけでなく、パーティションで区切ることで生まれる個室スペースにも展示されている。ショッピングの合間に訪れた上顧客が思い思いのリラックスタイムを過ごせるように、ただ質の高いサービスを提供するだけでなく、アートフォトもおもてなしのクオリティを高める要素のひとつなのだ。

エントランスの横幅10メートルにもおよぶ黒漆喰による見事な外壁の前に立ち、大正時代に看板建築などに使われたブリキを貼った鉄板の扉に近づいてみる。すると、自動の扉が開いた先の壁面に見えるのは、杉本の代表作のひとつに数えられる、水平線で二分割した空と海で展開する「海景」シリーズだ。

さらに歩を進めるとメインルームにたどり着く。規模にして同時に40人前後が利用できるかどうかの、ストレスを感じさせない贅沢な空間にレイアウトされた家具のほとんどは新素材研究所による特注品だという。いずれも日本で古来から使われてきた素材を現代的に解釈し落とし込んだもの。建築物の細部よりも建物そのもののエッセンスを表現した「建築」、写真乾板の上に直接人工的な閃光を起こす放電実験を作品化した「放電場」などの作品とともに唯一無二の空間を形成している。メインルームに併設する個室には、衣服を近代彫刻として見るという視点からとらえた「スタイアライズド スカルプチャー」が飾られているが、こうしてLOUNGE SIXを隅から隅まで歩いてみると、杉本の作品が常に視界に入りやすい位置に配されており、厳選された古様な素材とモダンな意匠と相まって、ラウンジを利用する人々に特別な時間と空間を演出する役割を担っていることに気づく。

Art Photography for Interior Design

総じてLOUNGE SIXで過ごす時間、そこに漂う空気感は空港にあるようなVIP向けのラウンジとはまったく異なり、訪れる顧客にとってかつてない新鮮な体験として記憶に刻まれることだろう。ここに飾られたアート作品は、GINZA SIXでの滞在をより特別なものにするための必要不可欠なコンテンツとして位置づけられている。

店名

GINZA SIX

住所

〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目10-1

URL

https://ginza6.tokyo/