4年ぶりの新作個展、
田口まき「SECRET GARDEN /0」

田口まきによる4年ぶりの新作個展「SECRET GARDEN /0」が、3月14日（日）までNADiff Galleryで開催中。

田口は2007年から写真家としての活動をスタートし、女性を被写体にした作品を多く手掛けてきた。被写体の纏う空気までも伝える、繊細で親密なポートレイトを得意としてきた田口だが、豊かな自然を洗練された色彩と構図で写し取った作品シリーズ「SECRET GARDEN /0」の制作を機に、新たな作品世界の構築に取り組んでいる。

「SECRET GARDEN（秘密の庭）」シリーズは、「未来の人間の目になって、目の前の風景の中に楽園を見つける」試みだと田口はいう。2018年から開始したプロジェクトだが、2020年から現在まで続くコロナ渦において、憧れる景色とは何か、楽園とは何かという問いに対峙することで、写真家の意識の中での制作意図はより強く高められていった。

本展では、「SECRET GARDEN」のシリーズから、二つの新作を展示。一作目「SECRET GARDEN /0」は、2018年のユーラシア大陸の縦断旅行に際して撮影され、桃源郷のような光溢れる景色を写した作品で構成。続く、二作目の「SECRET GARDEN /1」は、ジェンダー規範から解放された場所を取材し撮影したもので、身体と精神の開放された身振りを写しとった作品群。こちらは現在も進行中のプロジェクトとなり、一番新しい作品写真からその一部を紹介する。田口が眼差すこの世界の何処かの「SECRET GARDEN」に、私たちの憧憬が写されているかもしれない。

また、会期中には新刊写真集『SECRET GARDEN /0』も発売される。