誰もが持つ幼少期の朧げな記憶をビジュアル化する田中愛弓展

1月25日よりニューヨークを拠点に活動を続ける写真家 田中愛弓の個展「Hide and Seek」が大阪のThe Third Gallery Ayaで開催される。

田中愛弓は大阪芸術大学の写真学科を卒業後、渡米しニューヨークを拠点に活動を続けている写真家。幼少期の記憶をビジュアル化した田中の作品群は、作家自身を形作った希望、恐れ、不安といった様々な感情を引き起こすもので、作品を見る観客自身の様々な感情をも揺さぶる。本展ではおとぎ話のような手法を取り入れることで、不確実な記憶の中の時代性や文化、社会的な背景といった共通の記憶を共有できるという、作品が持つ別の機能を引き出す試みも行なっているという。

また田中は、被写体自体を制作し、撮影するという手法でも作品を制作しており、素材として、家族写真や自身で撮影したイメージに加え、切り絵にした影の写真、そしてインターネットから引用した「ありふれたモチーフ」を使用している。それらの被写体も物語を体験するための作品として再構築し展示される。

会期初日となる1月25日には作家本人によるトークイベントも開催予定だ。