23 December 2021

写真家のプレイリスト
#10 山谷佑介

23 December 2021

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写真家のプレイリスト#10 山谷佑介 | 写真家のプレイリスト#10 山谷佑介

毎日の生活に、またクリエイティビティに欠かせない音楽という存在。自分だけのプレイリストを気軽に作れるようになったいま、写真家たちはどんな音楽を聴いているのだろう?第10回はこれまで彼にしかできない方法で、写真表現を開拓してきた写真家・山谷佑介。近年は自身のドラム演奏を撮影するパフォーマンス「Doors」や、横須賀にある築82年の古民家を自宅兼アトリエに改築するプロジェクトを行うなど、自身の関心の移ろいとともに変化する写真表現のあり方を模索し続けている。今回は、迫るクリスマスを意識しつつ、長い夜が続く季節に聞きたい曲を選んでくれた。ひとり寂しいときにそっと寄り添うようなメロディが心地よいプレイリストからは、山谷の音楽への愛情が伝わってくる。繰り返し聴く中で、歌詞を見ながら聴いてみるのも面白いかも。夜のお供にぜひいかがだろうか?

写真・文=山谷佑介

「あの夜だけが」

「あの夜だけが」

1. “Christmas Card From A Hooker In Minneapolis” 
 トム・ウェイツ

2. “Heartaches
 アル・ボウリー、シド・フィリップス アンド ヒズ メロディアンズ

3. “あの夜だけが” 
 ザ・ブルー・ハーブ

4. “Alberto Balsam
 エイフェックス・ツイン

5. “YES MY LOVE
 矢沢永吉

6. “Tomorrow’s Gone
 チャーリー・メギラ

7. “Goin’ Home”
 アルバート・アイラー

8. “Maggot Brain”
 ファンカデリック

9. “Afraid
 グリム・グリム

10. “君はトロピカル”
 中井貴一

一人で夜中に飲んでいるときに、誰かの気配が欲しくなって携帯を手にする。だけど、夜が深すぎて誰にも連絡できない。ネットサーフィンに乗りまくり、曲だけじゃなく、その人のルーツまで覗いてみる。

誰かの10分間のギターのインストは、自分の母親が死んだと思って弾いた演奏。誰かはイスラエルの土地で50年遅れのロックンロールを弾きながら明日は来ないと歌い、また違う誰かはお家に帰ろうと吹いてみたり。亡くなってしまった大切な人に捧げた曲や、とにかく君が可愛いとしかいわない歌。別れの歌と、元恋人の娼婦からもらったクリスマスカードの物語。そして愛について考える。ブルーハーブのボスが言っていました。歴史は夜に作られる。同感です。メリークリスマス。

写真家のプレイリスト#10 山谷佑介

山谷佑介 |Yusuke Yamatani
1985年、新潟県生まれ。立正大学文学部哲学科卒業後、外苑スタジオに勤務。その後、移住先の長崎で出会った東松照明や無名の写真家との交流を通して写真を学ぶ。近年の展示に個展「KAIKOO」(Yuka Tsuruno Gallery、東京、2021)、「VOCA展 2021」(上野の森美術館、東京、2021)、個展「Into the Light」(BOOKMARC、東京、2017)、「KYOTOGRAPHIE」(無名舎、京都、2015)など。写真集・モノグラフに『ground』(lemon books、2014)、『RAMA LAMA DING DONG』(私家版、2015)、『Into the Light』(T&M Projects、2017)、『Doors』(ギャラリー山谷、2020)など。
http://yusukeyamatani.com/

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