インベカヲリ★写真展「たしか雨が降っていたから、」デビュー当時の未発表作や新作などを展示

インベカヲリ★写真展「たしか雨が降っていたから、」が、8月2日（火）まで原宿・Gallery KTOで開催中。

一般女性の人生に耳を傾け、その姿を写真にとらえてきたインベカヲリ★。20年前、写真はインべにとって自己を表現し確認する「症状」であったが、時とともにその関心は少しずつ他者へと移っていったという。しかし、活動初期のセルフポートレイトから、「語り」を通して被写体の姿を写すことに変わっても、インべの写真は揺らぐことなくそこにあり続けている。

写真編集者の池谷修一は本展についてこう語る。「この二年ほど書き手としての自分を大きく成長させてきた。撮ることと書くことは、表現者としてのインベの中で不可分の関係にある。分析し記述する身振りは、インベの写真表現の軸である。女性たちのこころの内から発せられる言葉。その「語り」を写真で分析・記述するのだ。初期にはセルフポートレイトの表現が散見される。やがて人の心に深く傾斜し、他とまったく似たもののない堅牢な写真を作るようになった」。

本展では、その初期衝動のようなデビュー当時の未発表作と新作、加えて、インベの特異な存在感を決定的にした「やっぱ月帰るわ、私。」からの作品も展示される。写真家としてのインベの現在地点を俯瞰する稀有な機会になるはずだ。