草野庸子と菅野恒平がとらえた、福島の個人的な記録「Double Focus」展

草野庸子と菅野恒平による展示「Double Focus」が、4月15日（土）〜8月6日（日）にかけて、THE NORTH FACE STANDARD二子玉川とTHE NORTH FACE STANDARD 広島を巡回して開催中。

最初の「Double Focus」は2021年のKG+において、草野による2019年の展示「(s s )vision」を元に菅野を招いて再構成したものであり、THE NORTH FACE STANDARD 京都で開催されたものだ。「(s s )vision」は、草野にとって写真とは一瞬を切り取る装置であり、同時にその一瞬は連続する時間の中にあるものでもあるという考えのもと始まっている。本展は、当時の展示の解釈をさらに深化させ、新作を交えて作り上げられた。

二人にとって福島県は特別な土地である。草野にとっては故郷であり、菅野にとっては父の故郷で、震災をきっかけに継続的に撮影を続けている場所だ。二人展「Double Focus」は、同じ被写体を異なる体験から描くことに興味を感じ、生まれたという。それぞれが写真を撮り続け、対話を繰り返し、違った視点からもう一度写真を見返す中で、変化していった写真の意味や価値。そして、その写真を見る別の人たちによって、写真の新しい可能性が広がり続けていく。