創設100周年を迎えたグッチがエキシビション「Gucci Garden Archetypes(グッチ ガーデン アーキタイプ)」を10月31日(日)まで開催中だ。同展は、グッチを率いるクリエイティブ・ディレクター、アレッサンドロ・ミケーレが展開してきた6年間にわたる広告キャンペーンを空間に再現。単なる商業的な広告とは一線を画す、グッチのビジョンや美学、創造性を感じられるアートなエキシビションとなっている。
インクルーシブ、ロマンティック、コンテンポラリーとさまざまな形容がなされるアレッサンドロのグッチだが、エキシビションもそのさまざまな面を追体験するように迷路のような館内を巡ることになる。会場は、複数のエリアで構成され、それぞれ空間を存分に用いていままでの広告キャンペーンを再現する。来場者のスマホから利用できる音声ガイドもあり、目でも耳でもグッチの世界に没入できる。
アレッサンドロが初めて手掛けたコレクションは2015年秋冬。この時の広告キャンペーンはロサンゼルスの地下鉄が舞台で、本展で車内が再現されている。2015年秋冬コレクションのルックをまとったマネキンが都会の地下鉄に佇む。いまでこそラグジュアリーファッションとストリートファッションは近接しているが、このキャンペーンはその萌芽と言えるのではないだろうか。車内は再現物なので、間違ってもシートに座ったり吊革に捕まったりしないように。
ネオン、スパンコールが美しい2016年秋冬広告キャンペーンのエリア
東京で撮影したことが話題となった2016年秋冬広告キャンペーンの部屋では、アイコニックなデコトラが迎える。煌びやかなトラックが数えきれないほどのスパンコールが覆う空間に停まっている。日本の大衆文化とイタリアン・ラグジュアリーが違和感なく融合している。
2018年春夏広告キャンペーンではグッチをまとった登場人物たちがヒエロニムス・ボスの『快楽の園』のような歴史的絵画の中にイン。アーティスト、イグナシ・モンレアルによるこの印象的なビジュアルがウォールアートとなり壁面と天井を覆う。グッチのファッションとルネサンス美術が化学反応を起こしている。
2018年秋冬広告キャンペーンではコレクターの世界を再現。空間にはショーケースに収められた無数のぬいぐるみや蝶と共にグッチの〔GGマーモント〕バッグが陳列される。〔GGマーモント〕バッグとカラフルでキッチュな収集物の違和感の無さに驚く。
そう、アレッサンドロのグッチに掛かると異なる要素が違和感なく組み合わされるのだ。そのためコンテンポラリーかつインクルージョンといういまの時代を牽引するブランドなのだろう。エキシビション名のアーキタイプとは元型のこと。各広告キャンペーンに没入すると、グッチのクリエイティヴィティの元型を実感できるだろう。
予約はグッチの公式LINEから可能。来場する際はイヤホンを忘れずに。音声ガイドを聴きながら巡ることでよりイマーシブな体験となるだろう。グッチの哲学とアートな展示を楽しんでもらいたい。
Images: Courtesy of Gucci
タイトル | 「Gucci Garden Archetypes」 |
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会期 | 2021年9月23日(木・祝)~10月31日(日) |
会場 | B&C HALL E HALL(東京都) |
時間 | 11:00~20:00(金土曜・祝前日は21:00まで/最終入場は閉館時間の30分前まで) |
料金 | 無料(事前予約制) |
URL | https://www.gucci.com/jp/ja/st/stories/inspirations-and-codes/article/gucci-garden-archetypes |
備考 | 開催日時・内容など変更、混雑時の来場人数制限の場合あり。最新の状況については、グッチ ジャパン クライアントサービス(0120-99-2177/受付時間:10:00~21:00)まで。 |