上原沙也加「The Others 2020-2021」展が、12月25日(土)までIG Photo Galleryにて開催中。
上原は2020年に第36回東川賞新人作家賞を受賞した若手作家。今回の展示は受賞作「The Others」の続篇となるシリーズ最新作となる。
「The Others」シリーズは沖縄県で撮影された作品。沖縄で生まれ育ち、東京で大学生活を送った上原は、沖縄が記号的な解釈による過剰なイメージで描かれていることに違和感を感じたという。報道にせよ広告宣伝にせよ、沖縄を表象する多くのイメージは紋切り型の表現にとどまり、一方向に見られる場所として消費されている。そのような実感から、上原は自身の経験を踏まえ、生活の場所としての沖縄の姿を写真でとらえ直そうと試みている。
今回、発表される「The Others 2020-2021」においてもその視点は変わらない。写真に写っているのは沖縄らしさを強調したものではなく、ましてやエキゾチシズムを感じるようなものでもない。しかし、写真のそこかしこには沖縄という小さな島々に押し付けられてきた歴史や問題、つくりあげてきた文化の一端を想起させるものを見つけることができる。そして、それらがこの地で暮らしている人たちとどのような関わりを持ってきたのかを想像することができる。東京をはじめとする現代日本の都市部と共通する町並みや建築と、沖縄文化の意匠、アメリカ文化の影響が写り込んだ写真からは、この場所が重ねてきた複数の時間を読みとることができるだろう。
タイトル | 「The Others 2020-2021」 |
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会期 | 2021年12月7日(火)~12月25日(土) |
会場 | IG Photo Gallery(東京都) |
時間 | 12:00~20:00(最終日は18:00まで) |
休廊日 | 日月曜・祝日 |
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