石塚元太良は1977年、東京都生まれ。8×10などの大型フィルムカメラを用いながら、ドキュメンタリーとアートの間を横断するように、時事的なテーマに対して独自のイメージを提起している。近年は氷河、パイプライン、ゴールドラッシュなどをモチーフに、アラスカやアイスランドなど主に極地方で独自のランドスケープを撮影。初期集大成ともいえる写真集『PIPELINE ICELAND / ALASKA』(講談社)で2014年、東川写真新人作家賞受賞。また2016年に「Steidl Book Award Japan」でグランプリを受賞し、ドイツのSteidl社より新刊『GOLD RUSH ALASKA』を2017年秋に刊行予定。
本展「panorama」では、石塚がアラスカで撮影した全長約6メートルの未発表のパノラマ作品「Shoup Glacier」「Surprise Glacier」を中心に展示。吹き抜けの空間であるアトリウムには、約15メートルのパノラマ写真を円筒状に仕立て、鑑賞者が中に入りその眺望を楽しむことができる作品が設置される。
本展タイトルである“panorama”は、写真が発明される以前の19世紀ヨーロッパで流行した、精緻な風景画を展示し、人々に仮想現実を楽しませた「パノラマ館」から着想を得ており、本展では現代の最新技術による精彩な写真を通して、当時の人々が抱いたであろう目にすることのない僻地の景色を見つめる先にある、我々が生きるこの世界への根源的で無垢な問いを再提示する。
また、同会場のエントランスに構えるショップ・MINA-TO(ミナト)では、石塚の代表作のひとつ「PIPELINE」シリーズをはじめ、日常の風景をモチーフにした「N/P」や関連書籍などが展示販売される。
タイトル | 「panorama」 |
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会期 | 2017年4月11日(火)~4月16日(日) |
会場 | スパイラルガーデン(東京都) |
時間 | 11:00~20:00 |
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