山上新平写真展「Helix」京都＆東京で開催、
同名写真集も刊行

山上新平「Helix」展が、7月9日（土）より京都・minä perhonen galleria、7月23日（土）より東京・minä perhonen elävä Ⅱで開催される。

本作「Helix」は螺旋を意味し、同名写真集『Helix』はモノクロームとカラー二つの風景のシリーズから構成されている。

山上の地元である鎌倉にて2014～2015年に撮影されたモノクロームのシリーズ「SPECTRUM」は、徹底的に被写体の命と向き合い続けるなかで生まれたもの。場に対する個人的な感情や記憶を徹底的に削ぎ落として制作された写真たち。その撮影の際、作家は被写体の命から多くのものを得たという。「SPECTRUM」の後に同じ場所をカラーで撮影したシリーズ「The Disintegration Loops」は、写真を引き算でとらえ時と光を大切にしてきた作家が色にも向き合って制作したもの。山上がSPECTRUMの被写体から得たものに呼応して作られた。

今回「SPECTRUM」と「The Disintegration Loops」という二つの当時のシリーズを、山上のいまの眼差しで再制作・再構成されたのが本作「Helix」。“自身にとって大切なことは、場ではなく時であり、自己ではなく被写体であり、そこへの眼差しの強度でここまでつくってきました”と山上は話す。写真と命を同じところに置く山上の、写真に込められた眼差しの密度を作品から感じて欲しい。