毎月IMAが開催するオンライン写真コンテスト「IMA next」では、毎回異なるテーマを掲げ、写真家やキュレーター、編集者などがゲスト審査員となり優れた作品を選出する。2023年6月14日6月28日(水)まで応募受付中のテーマは「TRICK」。遊び心あふれるアナログな手法を使って、見る者を「気持ちよく騙す」作品を生み出す小池健介は、写真の錬金術師といえるだろう。ここでは、テーマに込めた思いや自身の活動を支える原動力について話を聞いてみた。
―今回の審査テーマは「TRICK」です。テーマに込めた思いや、どのような作品を期待しているかを教えてください。
手品のようにちゃんとタネがある、魔法のように見えても偶然ではない。一期一会のシャッターチャンスに見えても再現可能。自然に見えても人の手や考えが背後に感じられるような作品に期待しています。
ー以前のインタビューで「人を気持ちよく騙したい、気持ちよく騙されてほしい」とおっしゃっていましたが、「TRICK」を生み出すために必要不可欠な要素とは何でしょうか?
例えば、「同じような格好の人が同じような犬を連れているのを連続で目撃する」、「電信柱の縦のラインがビル群の隙間のラインにピッタリとはまる場所を発見する」とか。
見た人はちょっとハッピーな気分になるし、自分の観察眼に感心する。
もしその状況が誰かの手によって作られていたものだとしたらどうでしょう。
人に気づきをもたらす作品は素晴らしいです。もしそれをオーディエンスが自発的に見つけ出すよう促せるのならもっと素晴らしいです。
―現代では多様なデジタル加工が可能となり、写真表現における「TRICK」の幅が広がったことによって、写真がより面白くなったと思う点があれば教えてください。
「アイデアがあっても実現できない」という状況が減るのはとても嬉しく思います。目的は「良い作品」を生み出すこと。テクノロジーを使いこなして作品を作るのはとても大切です。
―小池さんはファウンドフォトを使って、切る、貼る、ちぎる、重ねるなどシンプルな行為を組み合わせることで「TRICK」を引き起こしています。デジタル時代において、古い写真やアナログな手法に惹かれる理由とは?ファウンドフォトを選ぶ際の基準はありますか?
デジタルでしかできないことがある一方、アナログにしかできないこともあります。
その一つは写真の偶発的な重なりを見つけること。影、厚み、ねじれやシワなどはデジタルソフトでは作り込まないと見えてこないものがパッと目の前に現れる。
ファウンドフォトを使うのは「どの写真でも作品になるという考えを実践する」自分なりの挑戦です。
―今後の活動について教えてください。
頭の中を少し整理したいです。
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応募期間 | 2023年4月14日(金)〜 |
応募料金 | 2,000円/1エントリー |
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