「富山新聞創刊 100年記念「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容―瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄」展が、富山県美術館で7月17日(月)まで開催中。
日本の写真史における前衛写真は、シュルレアリスムと抽象主義の影響を受け、1930年代に台頭し、1938年には詩人、美術評論家の瀧口修造を中心に「前衛写真協会」が結成された。その中で瀧口は、写真の記録性を重視し、当時の故意に実在を破壊、加工する技巧的表現の傾向に警鐘を鳴らし、ストレートフォトであってもシュルレアリスム的な表現が可能であると主張した。瀧口とともに「前衛写真協会」を立ち上げた阿部展也は瀧口に共鳴し、ともに『フォトタイムス』誌などに作品や評論を発表、精力的な活動を展開することとなる。その頃中学生だった大辻清司は彼らに影響を受け写真家を志し、やがて「なんでもない写真」と呼ばれるスナップ写真を極めていった。大辻に見出された牛腸茂雄は、日常における「自己と他者」を見つめ、技巧に凝らずありのままを撮影した「コンポラ写真」の代表的な一人として注目された。
本展は、1930年代から 80年代まで、瀧口の思想を受け脈々と引き継がれた前衛写真の精神とその魅力を、4人の作品や資料、さらにはウジェーヌ・アジェ、マン・レイなどの関連作家の作品を交えて紹介する。
タイトル | 「『富山新聞創刊 100 年記念「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容―瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄』展」 |
---|---|
会期 | 2023年6月3日(土)〜7月17日(月) |
会場 | 富山県美術館 2階 展示室 2,3,4(富山県) |
時間 | 9:30~18:00(入館は17:30まで) |
休館日 | 水曜 |
入場料 | 【一般】900(700)円【大学生】450(350)円、高校生以下無料 |
URL |