スイスの腕時計メーカーとして知られるロレックスは、芸術的遺産を過去から未来に受け継いでいくための活動を行なっている。2023年5月26日〜5月28日までギリシャ・アテネで開催されたのは、「ロレックス メントー&プロトジェ アート・イニシアチヴ」の20周年を祝した「ロレックス アート フェスティバル」だ。才能豊かなアーティストたちが一同に集ったイベントを通して、長年にわたるロレックスの芸術への貢献を紹介する。
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ロレックスは半世紀以上にわたり、世界中の才能あふれるアーティストたちや主要な文化機関と協力し、芸術文化の卓越性をたたえ、ブランドの継続的なフィロソフィーのもと、過去から未来へのつながりを創出し、芸術的遺産の永続に貢献してきた。そうした活動のひとつに、世界中の芸術的卓越性と知識が国や文化、分野の垣根を越えて次世代に受け継がれていくことを目標に創設されたロレックス メントー&プロトジェ アート・イニシアチヴがある。20周年を迎えたこのプログラムは、さまざまな分野の巨匠(メントー)と若手アーティスト(プロトジェ)が1対1でペアとなり共に制作を行い、創造的な交流を通じて知識や技能、さらには芸術に向き合う姿勢などを引き継いでいくものだ。2002年の創設以来、120カ国から1,350人がこのプログラムに推薦され、これまでに63人のアーティストがメントーを、41カ国から63人のプロトジェが選ばれている。
こうして育まれたクリエイティブな才能たちのコミュニティが集い、20周年を祝福した「ロレックス アート フェスティバル」が、2023年5月にアテネのスタブロス・ニアルコス財団文化センター(SNFCC)を中心にしたアテネ市内のさまざまな会場で開催された。本イベントは、これまでの20年間に生まれた成果を振り返りながら参加アーティストの才能をたたえ、さらには一般の人々が参加することができる貴重な機会となった。音楽、舞台芸術、舞踊、映画、視覚芸術、文学、建築などの分野の第一線で活躍するアーティストたちが参加し、パフォーマンス、朗読、展示、上映、インスタレーション、ディスカッションなど、約30ものパブリックイベントが行われた。イギリスの舞台芸術家セリーナ・カートメルや、カナダのメゾソプラノ歌手スーザン・プラッツとアメリカのバイオリニスト、デヴィッド・アーロン・カーペンター、日系ペルー人の作曲家でパフォーマーのパウチ・ササキ、監督、俳優、音楽家のホイットニー・ホワイトなど60名以上が、イベントを通して「ロレックス メントー&プロトジェ アート・イニシアチヴ」に敬意を表した。
優れた才能を支援するというロレックスの伝統。個々のアーティストに対する手厚い支援は、ロレックスの遺産であると同時に、世界の芸術と文化の遺産である。芸術とは連続したものであり、先人たちからインスピレーションを得ているという信念のもと、ロレックスの芸術文化への取り組みは、多くのアーティストへ輪を広げながら、今後も継続し、発展していく。
ロレックス アート フェスティバル
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