中国人作家チェン・ウェイが東京で4年ぶりに個展開催

東京・六本木のオオタファインアーツとオオタファインアーツ7CHOMEの2カ所で、10月19日より中国人作家チェン・ウェイの個展が開催される。パリのポンピドゥーセンターに作品のコレクションが決定するなど、近年ますます注目が高まる作家による、東京では4年ぶりの個展だ。

中国の80年代生まれを代表するアーティストとして、北京をベースに活動を続けるチェン。これまで写真を主たる表現方法に用いて作品を発表してきた。今年開催された東京都写真美術館のコレクション展「TOPコレクション 見ることの重奏」では、彼の代表作である写真シリーズが展示された。今回は日本初となる写真、ビデオ、LEDという異なるメディアの作品を組み合わせた展示となる。

チェンの作品制作にとっての核となるのは、虚と実がないまぜになった世界観。これは彼が敬愛する安部公房、梶井基次郎、フランツ・カフカなどの文学の世界観と共通するところがあるという。そんな彼にとって光とは色であり、色とは情緒や感情の発露の結果となる。写真、ビデオ、LEDという異なるメディアを使いながら、その全ての作品がチェンによるものとわかるほどの特徴的な光や色を伴った表現が一堂に会することで、展示空間をひとつのインスタレーションのように変貌させ、鑑賞者を彼独自の世界へと引き込む。この機会に、チェン・ウェイの世界観を体感したい。