赤々舎より『MORE THAN ONE WORLD New Japanese Photography 50 Years On』が出版された。
本書は、1974年にニューヨーク近代美術館で開催された展覧会「New Japanese Photography」から50年の節目を記念して制作。同展は、日本人写真家の作品を初めて海外で大々的に紹介し、以降の欧米における日本写真研究や評価に多大な影響を与えた展示だ。
本書には、「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2024」における展示およびシンポジウムをもとに執筆された、速水惟広(T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO ディレクター)や
サンドラ・フィリップス(SFMOMA 写真部門名誉キュレーター)、アイヴァン・ヴァルタニアンなど国内外の専門家による15本のテキストを収録。
全体は4章で構成され、まず展覧会の歴史的意義を再考し、次に当時見過ごされた視点に光を当て、さらにはグローバルな視座へと展開し、未来への展望へとつなげる。従来の「New Japanese Photography」という枠組みを問い直し、ジェンダー、表現媒体、国際的な視点など、これまで十分に論じられてこなかった側面に注目。
ジョン・シャーカフスキーが語った「世界はひとつ
だけではない(More than one world)」という言葉を継承しながら、新たな対話をひらく一冊となることを企図する。