19 December 2025

海岸線や稜線を撮り続けてきた笹岡啓子20年の記録

19 December 2025

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東京・新宿のphotographers’ galleryにて、笹岡啓子写真集『Presence』(Little Big Man Books、税込8800円)出版を記念した展示が開催されている。

笹岡は、活動初期より20年以上にわたり、日本列島の海岸線と山の稜線を丹念に歩き、撮影を続けてきた。北海道・礼文島から沖縄・波照間島まで、土地ごとに異なる地勢や植生、気候、そして海、山、空が交わる瞬間を追い続けた連作の集成が『Presence』だ。本書が示すのは、観光的な風景写真や国土的な象徴とは異なる、写真家自身の身体の移動と再訪の積み重ねによって深まっていった、土地との応答の軌跡。2001年の初個展における《習作 landscape》以来、「限界」「観光」「水域」「Cape」「Volcano」「Fishing」「Shoreline」とタイトルを変えながら、自身の経験や、天候・季節といった自然からの呼びかけに応じて訪れた場所の連なりによって構成されている。

人為と自然が絶えず交錯し続ける列島において、笹岡の写真は、地勢のゆるやかな変容と季節の移ろいとともに刻まれていく人の営みの痕跡を掬い上げ、未来へと手渡していく行為にほかならない。『Presence』は、自然の奥行きと人の気配とが響き合う場所へと、鑑賞者を静かに立ち返らせる。

【ステイトメント】
——この時代の海と陸とを撮っている。
その海と陸、過去と未来の狭間に
私たちが立っていたことを記しておきたい。

タイトル

Presence

場所

photographers’ gallery(東京都新宿区新宿2-16-11-401 サンフタミビル4F)

会期

12月17日(水)〜30日(火)

時間

12:00~20:00

休み

無し

料金

無料

URL

https://pg-web.net/exhibition/keiko-sasaoka-presence/

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