東京・銀座のArt Gallery M84でベッティナ・ランスの写真展「密室」No.12が2026年10月5日から17日まで開催される。同ギャラリーでは12回目となるランスの個展で、代表作「Chambre Close(シャンブル・クローズ/密室)」を中心に約30点を展示する。
1952年パリ生まれのランスは、1970年代後半から写真家として活動。ストリッパーやダンサー、娼婦などを被写体としたポートレートやヌードで頭角を現し、1980年代には『VOGUE』『Figaro』などの雑誌や広告へと活動の場を広げた。女性を主要な被写体としながら、華やかさや儚さ、美しさと苦悩、憂いといった相反する感情を写真に捉えてきた。
本展の核となる「Chambre Close」は、作家・セルジュ・ブラムリーとのコラボレーションによって1990年から92年にかけて制作されたシリーズだ。パリの女性たちを親密な距離から撮影したヌード作品は、その大胆なポーズと濃密な色彩で注目を集め、同名写真集はヨーロッパのみならずアメリカ、日本、韓国、オーストラリアなど各国で広く知られることとなった。
「Chambre Close」は、ランスにとって初めて本格的にカラー写真に取り組んだシリーズでもある。室内の鮮やかな壁や家具、衣服といった背景を積極的に画面へ取り込みながら、モデルの身体や視線を演出。代表作「Chambre Close Octobre I, Paris.」でも、赤を基調とした室内と女性の肌、黒い衣服が強いコントラストを生み、私的な空間を覗き込むような親密さと緊張感が共存している。
ランスはその後も、ジェンダーやセクシュアリティ、身体をめぐる表現を展開。1995年にはフランス大統領の公式カメラマンを務め、1998年にはイエスの生涯を現代に置き換えて撮影した「I.N.R.I.」を発表するなど、ファッションとアートの領域を横断して活動してきた。
今回の展示では、ランスが女性の身体とその内面をどのように写真へと変換してきたのかを約30点からたどる。モデルの視線や身振り、室内の色彩、写真家と被写体の距離。閉ざされた「密室」のなかで交わされる視線を通して、1990年代を代表するランスの写真表現を改めて検証する機会となる。
| タイトル | ベッティナ・ランス写真展「密室」No.12 |
|---|---|
| 場所 | Art Gallery M84(東京都中央区銀座4-11-3 ウインド銀座ビル5階) |
| 会期 | 2026年10月5日(月)〜17日(土) |
| 時間 | 10:30〜18:30(最終日17:00まで) |
| 休み | 日曜日 |
| 料金 | 800円 |
| URL |
