戦争や核などの社会問題に対し独自の方法で表現活動を続ける写真家・小原一真が、チェルノブイリのいまを見つめ、30年後の未来を考える特別展示が、原爆の図丸木美術館で開催中。
チェルノブイリ原子力発電所事故は1986年に起きた世界最大の原子力事故といわれる。小原は2015年からニ年間、延べ7カ月にわたり、ウクライナに滞在しふたつの作品を制作した。「Exposure」では、立ち入り禁止区域で発見された被曝した中判フィルムを用いて、事故直後に母親の胎内で被曝した女性、マリアの見えざる障害を描く。4分から8分の長時間露光によって作られた抽象度の高いそれらの白黒写真は、目に見えない彼女の障害を見るための想像力を喚起する。「Everlasting」では、廃炉作業を担う作業員の通勤風景、そこで暮らす若者たちの恋愛、結婚、出産を記録したながら、世代を超えて永遠のように引き継がれていく原子力産業、そして、そこで生きていく人々を描く。
2016年の世界報道写真展の人々の部で1位受賞をはじめ、国際的な賞を多数受賞した当作品は、暗闇に浮かび上がるライトボックスという形になって国内で初めて展示される。旧来のフォトジャーナリズムに対し、積極的に新たな方法論を提示していく小原は、会期最終日の11月25日(日)にトーク「写真の力が揺らいだ時代の表現とは何か?」を行う。
タイトル | 「Exposure/ Everlasting」 |
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会期 | 2018年10月13日(土)~11月25日(日) |
会場 | 原爆の図丸木美術館(埼玉県) |
時間 | 9:00~17:00 |
休館日 | 月曜 |
料金 | 【大人】900円【中高生】600円【小学生】400円*その他特別割引あり |
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