ディオールのメンズ アーティスティック ディレクレターに就任してからというもの、空山基やダニエル・アーシャムら現代アーティストと積極的にコラボレーションしているキム・ジョーンズ。彼の就任1年をたどる写真集『THE DIOR SESSIONS』が発刊される。タッグを組んだのは、マリイオ・テスティーノ、アニー・リーボヴィッツに師事したフォトグラファー、ニコライ・フォン・ビスマルク。ファミリーネームの通りドイツの政治家オットー・フォン・ビスマルクの末裔というノーブルな血筋だ。
ファッション写真のほか、ルーマニアのロマ、ミャンマー北部のナガ族などルポルタージュを撮ってきたビスマルク。ジョーンズを取り巻く人々を被写体に12カ月にわたり、モノクロでビデオ撮影した。写真集は、ジョーンズのディオール初となるショーの前夜から始まる。その被写体には村上隆やデヴィッド・ベイリー、マーク・ジェイコブスなどアート、ファッション、映画などからそうそうたる顔ぶれが登場。
このキャスティングはアート、ファッション、音楽が垣根なく混ざり合う現代カルチャーの多面性を映し出したもの。そもそもディオールは、そのルーツであるオートクチュールの顧客は王侯貴族にハリウッドスター、そして文化の担い手である美術家や音楽家だ。創業者のクリスチャン・ディオールも様々なクリエイターと交流して、メゾンを発展させていった。ギャラリストからキャリアをスタートしただけあって、アートには造詣が深いブランド。このことからわかる通り、今回の写真集はとてもディオール的なものなのだ。現代のディオールのクリエイション、メゾンと人々との関係性を切り取ったジョーンズの1年のクロニクルだ。
写真集の売り上げの一部は、ガンと闘病する若者へのケアや支援を行う慈善団体「ティーンエイジ・キャンサー・トラスト」に寄付される予定という点も注目。ラグジュアリーファッションと社会貢献がフォーカスされる現代らしい取り組みだろう。
タイトル | 『THE DIOR SESSIONS』 |
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出版社 | リッツォーリ社 NY |
価格 | €120/$125 |
仕様 | 外箱入りハードカバー(豪華版:(ディオール特製)クラムシェルケース入りハードカバー)/180ページ/285mm×340mm/言語:英語・フランス語 |
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