フォトグラファーとして、さまざまなジャンルで活躍する中、作品を発表する度に新しい一面をのぞかせてきた長田果純による展覧会「平凡な夢」が12月5日(木)より高田馬場・Alt_Mediumで開催される。
ありふれた日常でありながら、夢想的で「ここではない遠い場所」を想起させる写真たち。水面に広がる波紋のような静けさを宿していながらも、そこには感情の機微や温もりが確かに存在していることから、長田が何を軸に撮影してきたかを感じることができるだろう。
本展で約3年半ぶりに発表される「平凡な夢」は、彼女がある時から体感するようになった〈浮遊感や離脱する感覚〉そして〈自分を“もう一人の自分”が見ているような感覚〉がきっかけとなり、集積された体験が具現化されて、ひとつの作品群として誕生した。
長田はこの感覚を「まるで現実の世界が、終わりのない“平凡な夢”のように感じられた」と表現している。彼女にとってこの時期は、もやがかったような、深い霧の中をさまよい続ける絶望的な時間だったが、そうした夢現の精神の渦中で撮影された写真は、どこまでも純心な美しさを帯びたものになっている。
水面の波紋が広がり続けていくように、多くの人々の心を揺さぶり、訴えかける、長田の作品。日々の経験、そして、出来事に触れることで生まれる断片を、一つずつ拾い集めるように形作られた「平凡な夢」から、たゆたう心の窓辺に差し込んだ淡い光を、作品に没入しながら見つけ出してみては。
タイトル | 「平凡な夢」 |
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会期 | 2019年12月5日(木)~12月10日(火) |
会場 | Alt_Medium(東京都) |
時間 | 12:00~20:00(最終日は17:00まで) |
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2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。