ひと粒の種が根を張り、芽生え、土壌を突き破って光を追い求めるさまに着想を得たというISSEY MIYAKEの2022/23年秋冬コレクションを代表する、ホリデーシーズンに向けた新ニットシリーズ「RHIZOME」が発売中。「RHIZOME」のニットは、まるで植物の根や茎がのびのびとあらゆる方向に生えているようなデザインで優しく体を包み込む。映像と写真を手がけたのは、イギリスのアーティスト、写真家、映像監督のマーカス・トムリンソンだ。ダンサーの身体表現とトムリンソンの写真の力でドラマティカルに昇華するISSEY MIYAKEの美学に触れる。
テキスト=IMA
ISSEY MIYAKEの活動は常に写真と共にあり、半世紀以上も連綿と受け継がれ、私たちを魅了し続けてきた。ストイックに確立された美意識を持つ写真家たちの表現はISSEY MIYAKEのデザインと出会い、鑑賞者は驚きと感嘆の声をあげる。
ワンピース 104,500円 Photography: Marcus Tomlinson © ISSEY MIYAKE INC.
2022/23年秋冬コレクションのホリデーシリーズ「RHIZOME」の映像と写真を手がけたマーカス・トムリンソンもその一人だ。アーティストであり写真家であり映像監督でもある彼は、ヴィジョナリーなイメージで、その詩的な世界に私たちを誘う。植物の形態に感じる野性と美しさから始まった今回のコレクションのテーマは、「Sow It and Let It Grow」。衣服の持つオーガニックな存在感を、Rhizome(根茎)に見立てたコンテンポラリーダンサーたちに託し、幻想的な世界を創造した。
トムリンソンは作品コンセプトについて次のように語っている。
「Rhizome」、なんと美しいコレクションのアイデアなのでしょう。ISSEY MIYAKEから今回のプロモーションの依頼があった時、とてもワクワクしました。コンテンポラリーダンサーを通して、衣服を更に昇華させるような映像を作りたいと思いました。 Rhizome(根茎)に見立てたダンサーたちが一緒に眠っているところから始まるストーリーを作り上げました。ダンサーたちが起きると、動き出し、明るい色をまとった一つ(一人)のRhizomeを残し、森の中へ走り出します。そして彼女は目覚め、一人きりになります。ダンサーたちが森の中で踊っている間に、野原に一人残っていた彼女は完全な一つのRhizomeになるために他のダンサーたちを呼び戻します。
自然と身体の融合から生まれたイメージは物語性に富み、おとぎ話に迷い込んだような感覚に浸ることができる。衣服と人と写真の融合が作り上げた幽玄の物語に惜しみない喝采を送りたい。
Photography: Marcus Tomlinson © ISSEY MIYAKE INC.
タイトル | 「RHIZOME」 |
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アイテム | ワンピース1型、トップ2型の全3型展開(カラー:マゼンタ、ベージュ、ブラック、オフホワイト) |
発売日 | 11月1日(火) |
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マーカス・トムリンソン|Marcus Tomlinson
ロンドン在住のアーティスト、写真家、映像監督。アートとファッションを融合させたユニークな手法でスチール写真や映像作品を制作する。長年の間、A-POCやL’EAU D’ISSEYに携わり、イッセイ ミヤケグループ全体の成長や美しさに触れてきた。作品はロンドンのバービカン・センター、ロサンゼルスMOCA、テート・モダン、ルクセンブルグ近代美術館などで展示されている。