8 December 2022

日本とドイツが生んだ名機プラウベルマキナ670|新宿 北村写真機店ヴィンテージカメラのすすめ Vol.8

8 December 2022

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日本とドイツが生んだ名機プラウベルマキナ670|新宿 北村写真機店ヴィンテージカメラのすすめ Vol.8 | プラウベルマキナ670(550,000円)

プラウベルマキナ670(550,000円)

撮影=瀬沼苑子
文=新宿 北村写真機店

プラウベルマキナ670は1979年に発売されたマキナ67の後継機種として1984年に発売されました。
前身となるマキナ67はドイ・インターナショナルの社長であり、熱心なドイツカメラのマニアとして知られる土居君雄氏が戦前からクラップカメラマキナやビューカメラペコジュニアを製造していたドイツの名門カメラメーカー「プラウベル」を復興すべく、1975年に買収し、日本光学工業(現ニコン)製のレンズ「ニッコール」を装着して発売しました。
土居氏はカメラ販売店「カメラのドイ」を成功させた経営者であり、カメラコレクターとしても有名でした。
ドイ・インターナショナル傘下での最初のカメラ候補として、プラウベル側がマキネッテ67を試作し1976年のカメラ見本市・フォトキナにも出展しましたが、土居氏はこれに満足せず、設計を小西六(後のコニカ、現コニカミノルタ)に委託することとなり、同社の技術者・内田康男氏がプラウベルマキナ67を設計しました。
これは当時の小西六社長であった冨岡弘氏と土居氏が友人だったからですが、土居氏はレンズにニッコールを使用することは譲らなかったといいます。
プラウベルマキナ67は1978年9月にフォトキナで発表され、1979年発売となりました。畳めば非常に小型になる上、1250gと軽量であり、蛇腹を使用したため内面反射が少なく、ニッコールの優秀な描写により一定の地位を得ました。特に写真家の荒木経惟氏が愛用したことがよく知られています。
その後1982年にワイドニッコール55mmF4.5を固定装着したプラウベルマキナ67Wを発売。そして満を持して1984年、プラウベルマキナ67を220フィルムに対応させた「プラウベルマキナ670」が発売されました。


製造は当初、小西六の関連会社であるコパルコーオンが担当しましたが、生産トラブルが頻発したため、マミヤ光機(現マミヤ・オーピー)の社長だった石田外男氏から中判カメラ製造設備集約の提案があり、1981年6月に製造委託先をマミヤ光機に変更されました。しかし1984年3月にマミヤが倒産、これに巻き込まれる形で1987年に製造中止となりました。
プラウベルマキナ670の特徴は6×7判カメラにもかかわらず、蛇腹を畳むと大変ボディが薄くなり、携帯性に優れています。この携帯性こそがプラウベルマキナ670の最大の長所でしょう。そして搭載レンズは「ニッコール80mm F2.8」。ニコンの数少ない中判カメラ用レンズであり、シャープでヌケの良い発色をします。焦点距離は35mm換算で約40mmとなり、スナップや風景撮影に最適な画角。携帯性とレンズの特長が合わさった唯一無二のカメラなのです。


新宿 北村写真機店
世界一のカメラストアをコンセプトに2020年新宿にオープン。新品・中古カメラやグッズ、ギャラリーやセルフスタジオ、子供写真館が揃い、機材だけに留まらない豊かなフォトライフを提供している。

東京都新宿区新宿3-26-14
10:00~21:00
https://www.kitamuracamera.jp/ja

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