2015年のドキュメンタリー映画『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』によって日本でも広く知られるようになった、写真家ヴィヴィアン・マイヤー(1926〜2009年)。2010年以来欧米各地で開催されてきた展覧会と写真集によって、いまや20世紀の代表的なアメリカ写真家の一人に数えられている。
スイスのファッションブランド「アクリス」は、世に知られるのが遅すぎた女性アーティストを讃える企画の一環として、2017年春夏シーズンで起用した101歳で初めてホイットニー美術館で個展が開催されたキューバ系の抽象画家カルメン・ハレーラに続き、2017年プレフォールにマイヤーの作品をファッション化。マイヤーを始め、ウィリアム・クライン、ソール・ライター、ベレニス・アボットなど、モダニズム時代の作家を多数扱うニューヨークのハワードグリーン・ギャラリーの協力で実現した。
これを記念して5月半ば、57丁目にある同ギャラリーで5日間のポップアップ展を開催。発売されたアイテムの基となった作品を含む1950年から78年までに撮影された、モノクロ30点程とカラー数点が飾られた。質素ながらもファッションセンスを感じさせるマイヤーがとらえた、着飾って歩いたり、ショーウインドウを眺めたりする女性たちや、代表作ともいえるセルフポートレイト作品などが展示された。
「アクリス」を扱う五番街の高級デパート「バーグドーフ・グッドマン」でも、ショーウィンドウとレディース館4階の売り場横に、マイヤーのセルフポートレイト作品などの複写と、作品の一部を使用したドレス、Tシャツ、コートなどを飾り、作家へのオマージュとして展開。特にギャラリーでも展示された、地面に咲き乱れるキンポウゲの花々と自身の影を撮ったカラー作品は、テキスタイルとなって複数のアイテムに使用。モノクロ作品で知られるマイヤーの知られざる一面をフィーチャーしている。
Text by Yuriko Yamaki
Photos courtesy of Akris
タイトル | 「Akris×Vivien Maier」 |
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会期 | 2017年5月16日(火)~5月20日(日) |
場所 | Howard Greenberg Gallery (アメリカ) |
URL | http://www.howardgreenberg.com/exhibitions/akris-x-vivian-maier |
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