現在、ロンドンのCrane Kalman Galleryでは、フランス人写真家のカリーヌ・ラヴェルの展示「REFLECTION」が開催中。プールを被写体とし、まるで夢の中にいるような超現実的なイメージを生み出した代表作「The Pool」「Poolscapes」は、目に涼しく夏の日に眺めていたくなる。
「The Pool」を撮り始めたきっかけは、休暇を過ごしていたバルセロナでのこと。プールを見ながら、水に入ったり出たりする人々の繰り返しの動きが、ステージ上のダンサーを彷彿とさせた。そこで、常に持ち歩いていた1960年代の古いローライフレックスを用いて、プールにいる人々を即興的な踊りを舞うバレエダンサーに見立てて、写真におさめることにしたのだ。2009年に制作した「Poolscapes」からは、イメージの断片や分解に焦点を当てており、本人曰く「イメージの持つ曖昧な性質と潜在意識とのつながりを強調している」とのこと。
また、そのほかに新作「Heterotopia」も公開されている。カラフルで、歪められた庭園のイメージや、ガラスや鏡を用いて興味深い構図を生み出した自然の写真で構成されている。「色や光、反射、ユニークな視点を使って現実を歪めることで、鑑賞者はイメージにそれぞれの記憶や、経験、想像力を反映させることが可能になる。そうすることで、彼らにより個人的な解釈をする余白を残すのではないでしょうか。具象と抽象の間に存在するテンションが、そのようなことが可能な空間を生み出す」という。
独自の写真表現を追い求める女性作家による展覧会に、ぜひ足を運んでみてほしい。
Text: Gemma Padley
タイトル | 「REFLECTIONS」 |
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会期 | 2017年7月20日(木)〜8月19日(土) |
場所 | Crane Kalman Gallery(イギリス) |
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