第42回木村伊兵衛写真賞を受賞した原美樹子のニューヨークの個展が、チェルシーのミヤコ・ヨシナガ・ギャラリーで開催された。
原美樹子は、アメリカでは2014年に西海岸のゲティ美術館、2016年にサンフランシスコ近代美術館という写真に力を入れている2大美術館でのグループ展に参加した。ニューヨークでのギャラリー展示は10年ぶり二度目となる。以前も、『The New Yorker』や『New York Times』のような一流誌で取り上げられてきたため、今回もアート誌だけでなく一般誌でも、“この秋見るべき展覧会”のひとつとして注目された。
展示されたのは木村伊兵衛写真賞受賞作となる『Change』から約半数となる22点と、1996年から2009年の間に制作された作品群。個展に合わせて原自身がニューヨークを訪れて展示を手がけたという。これまでアメリカではどちらかというと女性を被写体とした原の作品が多く紹介されてきたが、今回は植物や風景、風景の中の人物などさまざまなイメージが飾られることで、独特の空間性をとらえた作品が一望に見わたせる展覧会となった。
ギャラリストの目から見て最も反応のあった作品は、ウエストの位置にカメラを据えた原が、子供たちと共に鏡に映った自分をとらえた「Untitled, 2006 from the series Humouresque」で、“ヴィヴィアン・メイヤーを彷彿させる”という声もあった。東海岸の美術館からも購入の話がきており、今後も欧米で注目されていく作家の一人といえるだろう。
Text and photos by Yuriko Yamaki
タイトル | 「In the Blink of an Eye 1996-2009」 |
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会期 | 2017年9月14日(木)~11月11日(土) |
場所 | Miyako Yoshinaga Gallery(アメリカ) |
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