写真美術館アンリ・カルティエ=ブレッソン財団(Foundation Henri Cartie-Bresson’s)がパリ・マレ地区に移転、11月6日(火)に再オープンする。
アンリ・カルティエ=ブレッソン財団(以下FHCB)は、2003年にパリ・モンパルナス地区に建設された。以来15年間ブレッソンの常設展と数多くの企画展を開催してきたFHCBは、ジュ・ドゥ・ポム美術館やヨーロッパ写真館、LE BALに並んでパリで最も重要な写真美術館のひとつだ。
Fondation HCB, 79 rue des Archives, mars 2018 © Cyrille Weiner
マレ地区の新しい建物は、学校団体や身体障害者の受け入れにより適した空間を目指し、道路沿いの1階に以前の約2倍の広さの展示スペースを設けている。またマレ地区は洗練されたセレクトショップや先鋭的なギャラリーが立ち並ぶパリジャン文化のハブともいえるエリア。FHCBのさらなる文化的影響力が期待されている。
この新たなスタートに伴い11月6日から翌年2月10日にかけて開催されるのは、ブレッソンの妻で、写真家のマルティーヌ・フランク(1938年~2012年)の回顧展。ベルギーのアンテワープで生まれたマルティーヌは、1960年代に「Life」や「The New York Times」で報道写真や著名人のポートレートを発表し、1970年に30歳上のブレッソンと結婚。1980年からはマグナムの会員として32年間活躍した。
「私は人が好きです。人生はとても複雑ですが、私は人が何かを達成する姿、また何かに情熱を燃やしている姿に強く惹かれるのです」と語ったマルティーヌは、常に社会活動に高い関心を持ち、女権運動が盛んな時期には世界各国へ撮影に出向いていた。
純粋さと人間らしさ、また自尊心と他人への敬意をバランス良く持ち合わせていた女性、マルティーヌ。その絶妙なバランス感覚は彼女の写真にも現れている。気品高く、同時に慈悲深いマルティーヌの写真は、マルティーヌという女性そのものの表象なのかもしれない。
パリへ訪れた際は是非、マレ地区の新しくなったFHCBで展示を見て頂きたい。
タイトル | 「Martine Franck」 |
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会期 | 2018年11月6日(火)〜2019年2月10日(日) |
会場 | アンリ・カルティエ=ブレッソン財団(フランス) |
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