早いもので、2020年も残りわずか。今年はいつもと違うホリデーシーズンがやってくる。誰かと会うことが困難ないまだからこそ、家族や大切な人、あるいはお世話になった人には、心を込めたプレゼントを贈りたいもの。写真集はお気に入りの世界やメッセージを共有するにはぴったりのアイテム。ギフトにぴったりな写真集をIMA編集部が近刊からセレクト。
前編に引き続き、後編は家族や大切な人に送りたい、日常に新たな気づきを得るための8冊を紹介。
8. テリ・ワイフェンバック『Des Oiseaux』
都市に寄り添う自然風景に息を飲む
テリ・ワイフェンバックが、ワシントンDCにあった自身の庭に訪れた鳥の姿をとらえた一冊。移り変わる四季の中で、鳥たちとの幻想的な出会いとの喜びに浸りながら、私たちの日常の隣に自然が息づいていることと、その美しさに改めて気付かせてくれる。
タイトル | Terri Weifenbach『Des Oiseaux』 |
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出版社 | Editions Xavier Barral |
価格 | 6,750円+tax |
発行年 | 2019年 |
仕様 | ハードカバー/260mm×210mm/96ページ |
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9. ルース・ファン・ビーク『Eldorado』
くだものの写真が大胆に変身!? 想像を掻き立てられる一冊
自身のアーカイブからコラージュ作品や本を制作しているルース・ファン・ビーク。最新作となる『Eldorado』は、青果の種を取り扱う業者の、膨大な量の広告用写真アーカイヴを元に制作された。ルースによって生命が吹き込まれ不思議な形のイメージはどれも個性的で、今にも動き出しそうなくらい生き生きとしている。想像力が掻き立てられる楽しい写真集は、どんなことにも好奇心旺盛なあの子にぴったりかも。
タイトル | Ruth van Beek『Eldorado』 |
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出版社 | Van Zoetendaal Publishers |
価格 | 4,800円+tax |
発行年 | 2020年 |
仕様 | 160mm×230mm/80ページ |
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10. ルイジ・ギッリ『KODACHROME』
何気ない日常の美しさに気づかされる
イタリアを代表する写真家・ルイジ・ギッリが1978年に自費出版で発表し、長い間絶版状態となっていた『KODACHROME』が、没後20周年を記念してMACKより復刻。何度見ても美しい日常の写真が並び、思わずうっとりしてしまう。毎日を素晴らしいものにしてくれる、いつもそばにいてくれる大切な人に感謝に気持ちを込めて贈りたい。
タイトル | Luigi Ghirri『KODACHROME』 |
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出版社 | MACK |
価格 | 5,250円+tax |
発行年 | 2012年 |
仕様 | ソフトカバー/202mm×270mm/104ページ |
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11.ヴォルフガング・ティルマンス『Wolfgang Tillmans』
いま大切なものは何かを改めて考えるために
世界をものすごい注意深さと、愛情に満ちたまなざしで見つめているヴォルフガング・ティルマンス。年を重ねるごとに、そのレイヤー、重み、深みがどんどん増していっている。観客であるこちら側も、人生を重ねるとそのことがより一層理解できるようになり、心に響いてくる。人との濃密な交流が激減した今年こそ、恋人や家族など大事な人にこの重要なことを伝えたい。
タイトル | Wolfgang Tillmans『Wolfgang Tillmans』 |
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出版社 | Wako books |
価格 | 3,000円+tax |
発行年 | 2020年 |
仕様 | 219mm×159mm/80ページ(フルカラー)/1500部限定 |
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12. TAKAY『Fluence:The Continuance of Yohji Yamamoto』
身に纏うファッションからインスピレーションを得る
ヨウジヤマモトの創造⼒から生まれた服を纏う被写体を、写真家・TAKAYが撮り下ろした写真集。どこか懐かしさのある写真でありながら優雅で前衛的なスタイルが感じられ、ブランドの世界観があらわれている。TAKAYが持ち続けている「服をスタイリングすることで⼈が被写体と化す感覚」が『Fluence』というタイトルに込められている。鬱屈した2020年だったが、美しく神々しくもあるヨウジヤマモトの服の写真でホリデーシーズンをときめいて過ごしてほしい。
タイトル | TAKAY『Fluence: The Continuance of Yohji Yamamoto』 |
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出版社 | Damiani |
価格 | 12,000円+tax |
発行年 | 2020年 |
仕様 | ソフトカバー/340mm×260mm/208ページ |
URL | https://theshopyohjiyamamoto.jp/shop/goods/goods.aspx?goods=UA-Z17-017-1-03 |
13. 濱田晋、Studio the Future『EVERDAY』
お互いの日常を知るための一歩を始める
パンデミックの影響で移動が制限されるようになった昨今、 遠くにいる家族や友人がどうしているか気になる人も多いはず。『EVERDAY』は、東京を拠点とする写真家の濱田晋と、アムステルダムで出版・デザインスタジオ、Studio the Futureを主宰するクララ・ヴァン・ダウクレン&ヴィンセント・スキッパーが、それぞれの日常を撮影した写真を左右に一点ずつ並べた見開きが淡々と続くシンプルな構成。特別なことだけじゃなく、日々の些細なことまでシェアしたい大事な人に贈りたい。
タイトル | 濱田晋、Studio the Future『EVERDAY』 |
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出版社 | Studio the Future |
価格 | 2,000円+tax |
発行年 | 2020年 |
仕様 | 206mm×144mm/88ページ |
URL |
14. シャンタル・レンズ『YOU RUN AROUND TOWN LIKE A FOOL AND YOU THINK THAT IT'S GROOVY』
思わず笑ってしまうような、ユニークな写真から元気をもらえる
動物のファウンドフォトにグラスを載せるという、ナンセンスな行為の先にあるユーモアに思わず顔がほころんでしまうはず。何も考えず、ただイメージの世界を楽しめるこの写真集を、「いま落ち込んでいても、元気を出して、落ち込んでいる時間にはきっと意味がある」、そんなメッセージを込めて送ってみては?
タイトル | Chantal Rens『YOU RUN AROUND TOWN LIKE A FOOL AND YOU THINK THAT IT’S GROOVY』 |
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出版社 | PANTOFLE BOOKS |
価格 | €40 |
発行年 | 2016年 |
仕様 | ソフトカバー/200mm×280mm/100ページ |
URL | https://www.pantoflebooks.com/product/you-run-around-town-like-a-fool-and-you-think-that-it-s-groovy |
15. エリック・ケッセルス『In Almost Every Picture #16 Sexy Sofa』
エロティックで笑える、贈るには難易度が高いキワモノ写真集
編集の妙で、市井の人たちが撮影した日常的な写真からユニークな物語を生み出す鬼才、エリック・ケッセルス。2002年から続く人気シリーズ『In Almost All Pictures』の最新号には、ある夫婦の妻がセクシーなランジェリーを身にまとって夫を誘惑する写真が収録されている。エロティックになり過ぎずコミカルに編集されているのだが、なんとこの写真をケッセルスに提供したのはその夫婦の娘とのこと! 毒の効いたオチも含めて笑い顔が浮かぶ相手がいたら、ぜひプレゼントしてみては?
タイトル | Erik Kessels『In Almost Every Picture #16 Sexy Sofa』 |
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出版社 | Kesselskramer |
価格 | 3,000円+tax |
発行年 | 2020年 |
仕様 | ソフトカバー/200mm×155mm/136ページ |
URL |
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2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。