最近、日本でも居住空間やインテリアにこだわる人がますます増えているが、アートとなると身構えてしまう人も多いはず。そこで『IMA vol.19』では、人気インテリアスタイリストの川合将人がアート写真と家具をスタイリング。すると、見慣れたはずの空間に新鮮な風が吹き込まれ、景色ががらりと一変した。部屋と家具とアート作品を上手にリンクさせるポイントを伝授。一枚の写真をきっかけに、暮らしを少し変えてみては?
スタイリング=川合将人
写真=今津聡子
文=IMA
佐藤利樹邸/代々木
いつもの見慣れた風景からの新しい脱却方法
After
ランタン《Tank Lantern》23,000円、貯金箱《Cast Factory》17,000円、ボウル《Form Bowl Deep Set Small》20,000円、
オブジェ《Cast Shoe》17,000円、キャンドル《Elements Candle Earth Large》26,000円(Tom Dixon/TOM DIXON SHOP tel.03-5778-3282)
ファッションから建築、グッズまで幅広いジャンルのディレクションをする夫とスタイリストの妻、そして4歳の男の子のファミリーが住まう代々木のヴィンテージマンション。広い庭に面した日当たりのよいリビングには、キリムのラグが敷かれ、使い込まれたアンティークのテーブルや椅子に加えて、モーイのソファ、イケアの照明などのデザイナーズものが上手にコーディネートされた上級者らしいテイストミックスな空間。
仕事柄、感度の高い二人だが、「コンテンポラリーな家具も好きなんですが、実際に買うとなるとなかなか冒険ができなかったりして。つい似たタイプのものに偏りがち」と話す佐藤さんは、プロの手で大胆に変身した我が家には興味津々の様子。ニューヨークで衝動的に買った絵から価値の高い作品までを壁に上手にかけているアート好きのお二人は、すでにポテンシャルが高い。次はぜひ写真作品にも積極的にトライしてほしい。
Before
写真上では、目利きの二人が集めた陶器やフィギュアなどの小物類に混じって、家族写真や子供の描いた絵が楽しげに並ぶ作り付けの棚に、複数の作家の大小の写真作品をランダムにレイアウト。一緒に写真集も表紙を見せて飾れば、壁に写真を掛けたかのごとき、面で構成する華やかなヴィジュアル空間が誕生する。壁に一切の穴を開けずとも、写真作品が楽しめる工夫だ。
写真下では、キース・ヘリングの珍しいドローイングを、黒い背景に後ろ姿の女の子の赤いリボンが印象深いアンニ・レッパラの作品に差し替えるだけで、空間がぐっと締まった雰囲気に。合わせて椅子もすべて黒で統一。
After
チェア左《CHAIR_ONE》48,000円(MAGIS/MAGIS Japan tel.03-3405-6050)、チェア中《Fan Dining Chair》89,000円(Tom Dixon/TOM DI XON SHOP tel.03-5778-3282) チェア右 参考商品(SOMEWHERE TOKYO tel.03-6452-2224)
プレート《Rucola》22,000円(MEMPHI SMILANO/SOMEWHERE TOKYO tel.03-6452-2224)
Before
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。