都築響一の名作『HAPPY VICTIMS』。新装復刻版の刊行記念フェアとトークイベント&サイン会が銀座蔦屋で開催!

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東京

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編集者、写真家の都築響一による写真集『HAPPY VICTIMS/着倒れ方丈記』が復刊を遂げる。同作品シリーズは、1999年4月から2006年8月まで計87回にわたる『流行通信』誌での連載をまとめた形として2008年に刊行された名作『着倒れ方丈記 HAPPY VICTIMS』(青幻舎)の復刻新装版。オリジナル版はカルト的な人気を誇るもの。今回の復刊ではオリジナル版のソフトカバーから装いを新たにハードカバーとなり、さらに、掲載されるすべての画像も今回新たに著者自身で調整が施された「リマスター版」である。

表紙と帯はすっかり生まれ変わったものの、内容はオリジナル版から引き継がれたシンプルなドキュメンタリーのフォーマットが保たれる。見開き1ページにつき1人の「幸福な犠牲者(happy victim)」が登場し、作者が撮影した部屋の写真それぞれに、その人物に関する短い解説と、典型的な一日のスケジュールが添えられている。本書の全編に漂う共感や親近感からは、同時に「このプロジェクトをいま再現することの困難さ」も滲み出す。それは、SNS上であらゆるストーリーが大規模に生み出され消費され消し去られながら、ファッション産業そのものが限りなく断片化され、拡散した文化現象となりつつある現在。そしてファスト・ファッションとストリート・レベル、両方のトレンドにハイファッションが本来の場を奪われつつある現在において。

「そしてまた僕らはいつの時代にも『幸せな犠牲者』だ。その対象がレコードなのか本なのか、クルマなのか服なのか、その程度の差異でしかない。千冊本を持っていれば賢いけれど、千枚服を持っているのは低俗、なんてのは世間が勝手に決めた判断基準に過ぎない。『断捨離』とか『むやみな消費の戒め』とかがもてはやされる時代にあって、もし本書に登場してくれた着倒れ君たちが眩しく見えるとしたら、それは君がこころのどこかで『バランスの取れた暮らし』の凡庸さ、退屈さに気がつき、苛立っているからにちがいない」(都築響一、復刊にあたって寄稿されたあとがきより)

また、新版『HAPPY VICTIMS』の刊行を記念して、銀座蔦屋でフェアが開催される。7月27日13:00からは、トークイベント&サイン会も開催される。15:00以降はサイン会のみの参加も可能。この暑い夏に「幸せな犠牲者たち」の純粋な情熱に触れながら、著者と言葉を交わしてみてはいかが?

イベント

『HAPPY VICTIMS』刊行記念フェア

トークイベント&サイン会

会期

2025年7月11日(金)~31日(木)

会場

銀座 蔦屋書店 アートブックフロア

時間

営業時間の通り ※最終日は17:00まで

トークイベント:7月27日13:00~14:30

サイン会:同日14:30~15:00 サイン会のみ参加希望の方15:00~

URL

https://store.tsite.jp/ginza/event/art/48217-1155160629.html

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