菅野ぱんだは福島県生まれの写真家。第13回キヤノン写真新世紀「荒木経惟」賞を受賞し、1998年より渡米。NYU Film Production課程修了後、2002年に帰国。以降、ポートレート、ランドスケープを中心に活動している。
本展「Planet Fukushima」では、管野の故郷である福島で震災後に撮影された作品約40点を展示。また本展は、4月27日(木)から大阪ニコンサロンに巡回される。
「実家である福島を撮りはじめて以来、私の視界には遠景、中景、近景という3つの層が形成されるようになる。それは3つの違う次元といってもいいかもしれない。例えば近景に人間がいて遠景に風景があり、かつてそれらは同じ空間に一緒くたに存在していたはずなのに、あの事故をきっかけにいまでは放射能という異物によって遮られてしまっている。そしてその目に見えない中景はこの先もずっと私たちと風景の間に居座りつづける。そんな分断された空間を意識するかたわら、6年の歳月を経て最近新たに気付いたことは、それは人によって時間の感覚が違うということである。速かったり遅かったり、長かったり短かったり、切れ切れだったり、あるいは一挙に溯行して震災以前に戻っていたり…。ときの流れが違うということは、あの震災の意味も人それぞれだということであり、むろんそれは福島以外のどの地域の人々にとっても時の概念、そして震災に対する思いは個々に異なるものだろう。ただ現在の福島という空間における目に見えない中景(異物)の存在が、そこに暮らす人々の時の感覚に特別な影響をもたらしている気がしてならない。」―菅野ぱんだ
タイトル | 「Planet Fukushima」 |
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会期 | 2017年3月28日(火)~4月10日(月) |
会場 | 新宿ニコンサロン(東京都) |
時間 | 10:30~18:30(最終日は15:00まで) |
URL | http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2017/03_shinjyuku.html#04 |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。