チェン・ウェイ個展「Fresh Dewdrop」
中国社会に潜む美を体現

チェン・ウェイは、写真を主な表現技法としながらも、映画のワンシーンを彷彿させるような審美眼と作風で、国内外から注目を集めている。杭州から北京へとベースを移し、着々とキャリアを積んできたチェンの作品は、近年アジアとヨーロッパ、アメリカ各地で評価を高めている。

本展「Fresh Dewdrop」では、前展覧会で扱ったものとは違う素材をもとに、彼の中国社会で生きる人への洞察と、そこから見出すことのできる美を体現。タイルが剥がれ、古びた街の歩道を映し出した同名作品「Fresh Dewdrop」は、タイルの剥がれた跡にオレンジ色の塗料が偶然に落ち、暗闇に浮かぶ一筋の光のようにも、または何かを呑み込む入り口のようにも感じられる。また本展では、LED掲示板を使った立体作品も展示。

中国社会で見る景色や漂流する世代の思いを、ただ善し悪しで判断するのではなく、そこに潜む美を見極めて自分の手で表現し直す、チェンの最新表現をこの機会にぜひ。