千賀健史の写真展「The Suicide Boom」が、東向島・Reminders Photography Stronghold(RPS)で11月25日(日)まで開催中。
本作品は2018年9月からオランダで開催されたBredaPhoto Festivalにて初披露された。BredaPhotoでの展示はRPSの後藤由美が外部から招かれたキュレーターの一人として参加、写真祭のテーマ「無限の彼方へ」にあわせ、フェスティバルの公式なコミッションプロジェクトとして企画発足から1年ほどかけて取り組まれたもので、並行して写真集制作も続けられてきた。
2015年8月に千賀の友人の一人が突然自殺した。手段はその頃世間で話題になっていた自殺方法だった。苦痛なく死ねると喧伝されるその方法を、もし友人が知らなければそれは起きなかったのではないだろうか?少なくとももう少し時間の猶予を作る事が出来たのではないだろうか?と千賀は考えた。
1774年にゲーテが「若きウェルテルの悩み」を発表してから、若者の間では小説の主人公を模倣した自殺が相次ぎ、その後も自殺への憧れにも似た感情が煽られ続けていった。それはまるでウイルスのように人の脳から脳へ社会の間で広がっている。
現在においても人々の関心を集める著名人の自殺事件や話題性のある自殺事件はメディアを通じて何度も繰り返し報じられる。このような社会的風潮、自ら死を選ぶという行為、“自殺のマインドウイルス”という敵を認識することがワクチンとならないかということを、千賀はこのプロジェクトを通じて考察しようとしている。
タイトル | 「THE SUICIDE BOOM」 |
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会期 | 2018年11月3日(土)~11月25日(日) |
会場 | |
時間 | 13:00~19:00 |
URL |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。