武田陽介は1982年、愛知県生まれ。大学在学中より銀塩写真での制作活動を始め、フィルムや印画紙の生産中止など、従来の銀塩写真の制作が困難になる状況をきっかけにデジタル写真へと移行。写真というメディウムに対する透徹した制作意識を湛えた作品を発表し続けている。
デジタルカメラを強い光に向けた際に生じる現象をとらえる「Digital Flare」と呼ばれる武田の一連の作品群は、光と影、あるいは偶然性といった写真の基本要素に対する作家の強い関心を礎としながら、被写体をカメラ・システムの外部にのみ見出してきた従来の写真において取り除かれるべきものであった「レンズの痕跡」を定着させるという、異端な挑戦のもとに展開されてきた。
本展で展覧される新作には、武田作品に象徴的なフレアやゴースト、色のにじみに加え、これまでの作品よりも顕著にとらえられたリング状の光を多く見てとることができる。激しい光に晒されたカメラの内部が高熱で解けてしまうほどの撮影の末に生み出される作品は、その危うさゆえに魅惑的なのかもしれない。
本展では、武田の代表作「Digital Flare」の新作と、近年取り組んでいる映像、並びに映像にまつわる写真作品を展示する。
タイトル | 「武田陽介」 |
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会期 | 2019年9月7日(土)~10月26日(土) |
会場 | |
時間 | 11:00~19:00 |
休館日 | 日月曜・祝日 |
URL |
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