メゾン マルジェラ「アーティザナル」展で
ジョン・ガリアーノのデカダンスを読み解いて

04 December 2019

AREA

東京

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ファッションの概念を揺さぶるブランド「メゾン マルジェラ」。現在のクリエイティブ・ディレクター、ジョン・ガリアーノは、かつてのアヴァンギャルドな佇まいをさらに進化させている。そのアーティスティックなものづくりを披露するエキシビションが、旗艦店である東京・恵比寿のメゾン マルジェラ トウキョウで12月11日(水)まで開催されている。

エキシビションでは、メゾン マルジェラの2019年春夏「アーティザナル」Co-edコレクショの主要ルックをメインエリアに展示。「アーティザナル」とは同ブランドのオートクチュールライン、つまりはメゾンにおいて創造の頂点に位置するもの。ピラミッド構造でクリエイションが浸透して行き、そのアイディアやディテールがプレタポルテやアクセサリーのアイテムへと続いて行く。同コレクションスペースに続いて、2019年秋冬「デフィレ」 コレクション(プレタポルテのショーライン)が展示され、両コレクションの関連性が提示される。

2019年春夏「アーティザナル」Co-edコレクション。鏡に映し出されたルックが過剰な刺激や混沌とした感覚へと導く。「デジタル・デカダンス」を物語るクラインブルーのプードルを配したプリントが印象的。

2019年春夏「アーティザナル」Co-edコレクション。鏡に映し出されたルックが過剰な刺激や混沌とした感覚へと導く。「デジタル・デカダンス」を物語るクラインブルーのプードルを配したプリントが印象的。

2019年春夏「アーティザナル」Co-edコレクションは、“デカダンス”がテーマ。デジタル時代の情報飽和の現代を表現した。そのため、ブランドのアトリエで開催されたショーの演出では、壁や天井を覆い、鏡を敷き詰めたランウェイに反射する仕掛けで、極彩色さざめくルックの現実と虚構が曖昧となることを狙っていた。

本エキシビションのディスプレイにも同様のコンセプトを取り入れた。鏡に映し出しだされたクラインブルーのプードルモチーフのルックやディスプレイが、観る者を過剰な刺激、現実と非現実、カオスといった感覚へと誘う。展示される「アーティザナル」のルックはカーゴパンツがドレスになったり、スカートがトップになったりと、こちらも既存アイテムの境界が曖昧だ。さらに性別も曖昧。“デカダンス”というアイディアを象徴するアイコンとして、クラインブルーのプードルがさまざまな手法で登場する。

「アーティザナル」のスペースを抜けると、鏡に乱反射する2019年秋冬「デフィレ」 コレクションの展示スペースが出現。「アーティザナル」の概念を受け継いだワードローブが並ぶ。

「デフィレ」コレクションの先にはショーを上映するスクリーニングルームがある。さらに、これらのアイディアを日常的なワードローブへと落としこんだ、2020年春夏「アヴァン・プルミエール」コレクション(プレコレクション)を展開するショップスペースへと繋がっている。

ディオールや自らの名を冠したブランドでは、官能的で耽美なデカダンスを見せていたガリアーノ。この「アーティザナル」コレクションでは、かつてのイメージからはデカダンスは想像できないかもしれないが、展示と会場で配られる冊子にある彼のメッセージを読むとよく理解できる。そして進化するガリアーノの創造性にも感銘を受ける。

見終わった後は、ぜひショップスペースでアイテムを手に取り、ガリアーノのクリエイティビティーを肌で感じてみてはいかがだろうか。

タイトル

「メゾン マルジェラ『アーティザナル』展『アーティザナル』Co-edコレクション デザインド バイ ジョン・ガリアーノ 2019年春夏」

会期

2019年11月23日(土)~12月11日(水)

会場

メゾン マルジェラ トウキョウ(東京都)