蓮井元彦写真展「裏山」が、7月7日(火)より明大前・BANSHAN GALLERYで開催中。
蓮井は1983年、東京都出身の写真家。2003年渡英。Central Saint Martins College of Art and Designを経て、London College of Communicationで写真を専攻後、2007年より東京を拠点に活動。主な写真集に『10FACES』『Personal Matters』『Yume wo Miru』『for tomorrow』がある。
“裏山というのにはまだ新しい森の中を父と歩いた。その裏山の自然は冷たく、そしてどこかあたたかかった。
ほとんど父と一緒に生活したことのない僕にとって父の家は不思議な場所だ。家族の住む家なのに自分の居場所の感じがしない。けれども他人の家に招かれた時のような背筋が伸びる感じもしない。例えて言うなら行き慣れた喫茶店のような感じだ。親しみはあるがどことなく緊張感もある。
長野県の茅野という場所は縁もゆかりもない場所だった。父が引っ越すまで地名すらも聞いたことがなった。おそらく父の家がなかったら一生行くこともなかったかもしれない。世の中のほとんどの土地がそうであるように。自分が生涯で接点を持つことのできる土地はこの星に数えられるくらいだろう。
裏山は表に家か何かがあって初めて裏山と呼ばれる。表がなければ裏山にはなれず、ただの山だ。それも縁もゆかりもないただの山。そんな山々の中で何かの縁で自分にとって裏山となった初めての山。
僕はその裏山に愛着を持った。今はまだ慣れないがきっといつかとても親しみのある大切な山になるだろう。そしていつかまたこの山を歩く時にはきっと懐かしさを胸に抱く。
裏山というのにはまだ新しい森の中を父と歩いた。その裏山の自然は冷たく、そしてどこかあたたかかった。” ―ステートメント
タイトル | 「裏山」 |
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会期 | 2020年7月7日(火)~7月19日(日) |
会場 | BANSHAN GALLERY(東京都) |
時間 | 12:00~19:00(最終日は17:00まで) |
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2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。